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外出自粛で専門医が警鐘 「骨」の衰えを防ぐために実践できる手軽な運動と食のポイントとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

家にこもっていることが多く運動不足に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
家にこもっていることが多く運動不足に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 家で過ごす機会が増えています。在宅勤務や不要不急の外出の自粛など、運動不足で体重増加や健康面も気になるところです。特に女性の場合、「骨」の健康に気を付けて欲しいと警鐘を鳴らすのは、日本骨粗鬆症学会認定医で「そしがや大蔵クリニック」院長の中山久徳先生。家にこもりがちな生活の中でのリスク、骨のために今できる簡単な「かかと落とし」エクササイズや食のポイントなどを聞きました。

 ◇ ◇ ◇

運動不足で体重増加も気になるけれど、骨の健康も要注意

――新型コロナウイルスの影響で家にいてあまり動かない日が増えました。

「家にこもりがちで運動量が減ると、1~2週間ほどで筋肉の衰えにつながることがあります。そしてそれは骨も同じなんです。一般的に20~44歳までが骨密度のピークで、それまでにどれだけ“骨貯金”をできるかが、その先の骨の健康を左右します。せっかく“骨貯金”をしていたとしても、生活スタイルが変わることで一気に骨密度が下がってしまうと、元に戻すには何倍もの時間がかかります」

――45歳以上の年代は、どういったリスクが考えられますか?

「女性は閉経後に骨密度が年に2~4%低下するとされています。女性に限らず、男性も50歳頃から徐々に骨密度が低下します。骨密度が低下したことは自覚しにくいですが、こうしたことが続くと、骨が一層もろくなり、些細なことで骨折してしまいます。骨の健康をキープすることを意識すると良いでしょう」

――家にいながらできる骨を強化する対策として、すぐに取り入れられることはありますか?

「骨の健康に一番効果的な運動は、『ジャンプ』することなんです。骨は重力の負荷がかかることと、振動を与えてあげることで丈夫になっていくという性質を持っているからです。お子さんであれば、自宅の前でもできる『なわとび』も良いと思います」

中山久徳医師【写真提供:そしがや大蔵クリニック】
中山久徳医師【写真提供:そしがや大蔵クリニック】

簡単にできるエクササイズやカルシウムを効率よく摂るコツ

――体力に自信がない人や、高齢者に向く部屋でできるエクササイズはありますか?

「簡単にできるのが、『かかと落とし』と呼ばれる運動です。骨の形成に関わるオステオカルシンというホルモン様物質が効果的に分泌されるだけでなく、神経細胞のネットワークを良くするため、認知症予防にも効果的であることが解明されています。『かかと落とし』のコツは、姿勢良く真上に伸び上がるようにつま先立ちになり、ドスンと一気にかかとを床に落とすことです。1度に10回、朝昼晩の3セットで、1日30回くらいを目標に。膝の調子が良くない方、痛みがある方は控えてください。転倒の危険がない安全な場所で行いましょう」

――運動の他に、食から簡単に実践できることはありますか? 例えばカルシウムをたくさん摂るとか……。

「実は、カルシウムは体内への吸収率が低いのです。いかにより効率的に吸収するかが大切です。そのためには調理の際にひと工夫が必要です。簡単にできることとして、『レモン』や『お酢』などをいつもの料理に加えてみてはいかがでしょうか。お酢やレモンに含まれるクエン酸は、カルシウムを吸収しやすくする『キレート作用』を持っています。乳製品と一緒に摂り入れるというひと工夫で、カルシウムをより効果的に摂取できます。また、カルシウムとレモンを一緒に摂取すると、骨を壊す体内の働きが抑えられるという研究結果もあるそうです」

 普段飲んでいる牛乳にレモン汁を加えて飲んだり、クリーム系のパスタにレモンを添えたり、お酢を料理に加えてみるなど、家での食事を工夫したり、ジャンプやかかと落としといった簡単なエクササイズをしたりすることで、骨の健康を守っていきたいです。

(Hint-Pot編集部)