からだ・美容
口の渇きや“むせ”に注意 健康状態と要介護状態の間「フレイル」は口腔内も セルフチェックで早期予防を
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教えてくれた人:大手前短期大学 歯科衛生学科教授・木林美由紀先生
政府により緊急事態宣言が発令されてから、はや1か月。さらに期間が延長され、引き続き自粛の毎日が続きそうですね。かかりつけ医にも行きづらいと思っている方も多いと思いますが、こんな時こそ、自分でできるヘルスケアを始めてみてはいかがでしょうか。今回は、最近話題に上っている「オーラルフレイル」を取り上げます。大手前短期大学 歯科衛生学科教授・木林美由紀先生に、「オーラルフレイルって何?」「どういうことで予防できるの?」などをお聞きました。
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微細な口の衰えが「オーラルフレイル」 口腔機能低下は身体機能低下につながる
初めて耳にする人もいるかもしれませんが、「オーラルフレイル」とは最近話題のワードで、微細な口の衰えのことを指します。これまで、口周りの健康指標は、虫歯や歯周病などの歯科疾患や残存歯数でしたが、口腔機能の低下も身体の衰えに大きく関わってくることが分かってきました。ぜひ、口腔機能の維持にも配慮するようにしましょう。
昨年末、厚生労働省のホームページで「活力ある健康長寿社会の実現に向けて」という報告書が公表されたこともあり、高齢者のフレイル(虚弱)予防に注目が集まっています。フレイルは、健康状態と要介護状態の間にある状態のことで、身体的・社会的・精神心理的な低下が見られる状態のこと。フレイルは対応次第で、再び健常な状態に戻る可能性があります。フレイルをよく知り、早期に気付いて治療や予防をすると、健康で楽しく末永く過ごすことができます。
オーラルフレイルの兆候としては、食事をしていてよくこぼすようになった、やわらかいものばかり好むようになった、むせることが多くなった、食欲がなくなった……などが挙げられます。このような些細な口周りの変化や衰えが気になるようになったら、オーラルフレイルかもしれません。