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からだ・美容

口の渇きや“むせ”に注意 健康状態と要介護状態の間「フレイル」は口腔内も セルフチェックで早期予防を

公開日:  /  更新日:

著者:弓削 桃代

教えてくれた人:大手前短期大学 歯科衛生学科教授・木林美由紀先生

かたいものが食べにくくなったりむせたりすることが兆候

 自分にオーラルフレイルの兆候が出ているか、気になるところ。そこで、下記のチェック項目を確認してみましょう。

○半年前と比べて、かたいものが食べにくくなった ※この質問に「はい」の場合は2点
○お茶や汁物でむせることがある ※この質問に「はい」の場合は2点
○義歯を使用している ※この質問に「はい」の場合は2点
○口の渇きが気になる※この質問に「はい」の場合は1点
○半年前と比べて外出の頻度が少なくなった※この質問に「はい」の場合は1点
○さきイカ、たくあんくらいのかたさのものが噛める※この質問に「いいえ」の場合は1点
○1日に2回以上は歯を磨く※この質問に「いいえ」の場合は1点
○1年に1回以上は歯科医院を受診している※この質問に「いいえ」の場合は1点

出典:東京都健康長寿医療センター

 合計点数が0~2点ならオーラルフレイルの危険性は低い、3点はオーラルフレイルの危険性がある、4点以上はオーラルフレイルの危険性が高い、となります。

 オーラルフレイルは、身体的フレイルの入り口であると言われています。だから、体重低下・疲れやすい・筋力低下・活動量の低下・歩行遅延などの身体的なフレイルを感じる前から意識することが重要です。

 1200人余りの高齢者を対象とした調査*を実施したところ、50~60代は口腔機能低下の自覚はあるけれど、身体的機能低下の自覚が少ない年代であるという報告があります。人によって違いはありますが、50~60代になる前から、食べこぼしやむせ、噛めない食べ物が増えたなど、口腔機能の些細な衰えが出る人もいます。そのような兆候を見逃さないようにすることが第一歩です。

 また、よく噛んで食べるためには、やはり健康な歯を維持することが大事。80歳で20本の歯を保つ「8020」を実現するためにも、「良い歯でよく噛み良い身体」を心がけましょう。

*檜原 司、他:各年齢階層におけるオーラルフレイルと身体的フレイルに関連する兆候-アンケートによる調査-,老年歯科 第32巻第1号,33-47,2017.

(弓削 桃代)