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本性を現した同姓同名の親友と「コロナ絶交」 モラハラ夫への愚痴がきっかけで出てきたドン引きの一言とは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

「どうでもいい平社員」 アドバイスをすると親友の本音が…

 何事もなく続くと思っていた2人の友情。それを引き裂くきっかけとなったのは、今回のパンデミックでした。

「お互い夫がテレワークになったんですが、その頃から親友が不満や愚痴ばかり言うようになってきたんですよ。コロナ禍で家にいるようになり、モラハラをするようになっていったようです」

 元々、上司と部下という関係だった親友夫婦は、亭主関白気味だったそう。テレワークが始まってからというもの、親友のご主人は皿の洗い方や料理への不満、調味料の減るスピードをチェック、水道代を抑えるためにシャワーの使用を控えるように注意するなど、これまで言われたことのなかったさまざまなことを細々と言い始めたといいます。

 それでも、親友は幼子2人を育てる専業主婦。離婚を強く勧めるわけにもいかず、絵里さんは「今だけのことだろう」と思い、愚痴の聞き役に徹していました。しかし、親友が言い放った言葉に思わずイラッとして、言い返してしまったことが……。

「愚痴を言い続けるので、思わず少し距離を置いてみたらどうかと、アドバイスをしたんです。すると彼女から『あなたのご主人はどうでもいい平社員だけど、私の夫は多くの部下の命を預かってるの! そんな夫を残して家を出るなんてありえない!』って言われて……。私のことは何を言われてもいいんです。でも、夫のことを“どうでもいい”って言われたのには我慢なりませんでした」

 そこで絵里さんは、自分にとって夫は“どうでもいい”人ではないこと、そしてその発言だけは許せないので、謝罪するよう詰め寄ったそうです。すると、親友は「うるさいうるさい!」と激高。「何で私たち、こんなに違いがあるの!? もう嫌!」と叫ばれ、電話を切られてしまいました。

良い姑に恵まれたことが夫婦の絆を強くする鍵だった

 絵里さんは親友との仲違いの後、気付いたことがあるといいます。

「私と親友。よく似ていたはずの人生なのですが……結婚後に私は義父母と同居になったことが、最も大きな差になったんだと思います」

 絵里さんの義母はとても気さくで明るく、とにかく気配り上手な人。自ら弁当屋を経営し、毎日忙しく働く一方で、子どもの世話に忙しい絵里さんに代わり、家事もバンバンやってくれるパワフルタイプ。

 また、実子だからと甘やかすタイプではないため、外出自粛でストレスが溜まったご主人がわがままを言い出した時には「自分だけがつらいと思うんじゃないよ!」とたしなめてくれたそう。

「義母のおかげで、専業主婦だけど自由になる時間をきちんともらえているので、私の方はストレスがまったく溜まらないんです。義実家との同居を嫌がる人もいるようですが、我が家は同居しているからこそ“コロナ離婚”の心配もなく、平穏に過ごせている気がします」

 ほぼ毎日連絡を取り合っていた絵里さんと親友でしたが、あの一件から連絡が途絶え、自分から連絡することはないだろうし、彼女から連絡が来ることもないだろうと覚悟しているそう。

「一生同じ運命をたどるんじゃ!? なんて思っていた時期もありましたが、私たちは結婚して同姓同名ではなくなっているんですよね。新型コロナのせいで、夫婦で追い詰められているのかもしれませんが、たとえ親友でも言っていいことと悪いことがあると思います。もし終息後に彼女の方から謝ってきたとしても、前と同じ関係には戻れないでしょうね」

 奇しくも同じ名前が育んだ友情ですが、結婚して名字が変わり、疫病という試練が襲ったことで、互いの道が大きく離れていたことに気が付いたという絵里さん。友情崩壊のきっかけはコロナ禍でしたが……もしかしたら、すでにその友情には、寿命が来ていたのかもしれません。

(和栗 恵)