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“コロナ離婚”が頭をよぎった時は… リフレッシュ法や「Iメッセージ」を活用 夫婦間の危機を乗り越える

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:大手前大学 現代社会学部准教授・武藤 麻美

自分の空間や時間を確保しこまめにリフレッシュするのが大切

 夫婦間の危機を回避するためには、お互いに気持ちをリフレッシュし、先ほど述べたような“フラストレーション”を溜めたままにしないことも大切です。すぐにできるリフレッシュ対策として、各々が、自分の空間と時間をわずかでも良いので確保しましょう。例えば、

・1つの部屋にみんなでとどまり過ぎない
・時間を決めてリビングやダイニングに集まるようにし、その他の時間は自分の部屋などで別々に過ごす
・社会的距離を保った上で、散歩やスーパーマーケットへの買い出しに出かける
・ベランダやバルコニーで日光に当たったり、目を閉じてゆっくり深呼吸したりする時間を設ける

 このようにして、自分だけの時間、自分だけしかいない空間を意識して作ることが効果的であると考えられます。イヤホンをして音楽を聴いたり、好きな映画やドラマを観たりして“私だけの世界”を確保することも、夫婦関係の破綻を避ける効果があると考えられます。

 また、家事に非協力的である夫に対しては「顔を見るだけでも嫌!」なんてことにならないよう、ケンカにならない程度に今後の家事・育児分担についてよく話し合うことも“コロナ離婚”を回避する対策となります。お互いに、どこまで歩み寄れるのか。夫がどこまでの家事を担当できるのか。感情的にならずに話し合いをしてみてください。

自分の考えを伝える時は「Iメッセージ」を心がける

 また、注意してほしいことが1つだけあります。先ほどからもお伝えしている“フラストレーション”。この“フラストレーション”が溜まった時に、自分よりも身体的に力の弱い家族にあたってしまう(例えば配偶者への暴力や子どもへの虐待などの)傾向にある人が、残念ながら一定数いるということです。

 世界的に見ても外出自粛に伴うDV(家庭内暴力)が問題になっていますが、日本も例外ではありません。何かあった際には自治体がホームページなどで紹介している相談窓口へ、電話やメール、チャットなどで相談をするなどしてほしいと思います。

 そもそも、暴力(身体的暴力や暴言や無視などの精神的暴力など)は、たとえどんな理由があろうとも、言語道断の行為です。暴力的であるパートナーに対しては、物理的な距離を取るようにしましょう。身の安全を確保し、心身の安定を得ることが必要です。また、配偶者からの暴力被害にあったときは、決して1人で抱え込まず、上に書いたように、第三者に相談してください。

 カ~ッとしやすい配偶者と話し合いをするにあたっての知恵になるのですが、自分の考えや意見を伝える際「Youメッセージ(主語を“あなた”にする)」ではなく、「Iメッセージ(主語を“私”にする)」と良いでしょう。

 例えば「あなたは~をしてくれない!」と伝えるのではなく、「私は~をしてほしいと思っている」とか「私は~をしてくれたらうれしい」「私は~を協力してくれたらすごく助かる」というように「Iメッセージ」で伝えると、相手が受け取る印象が大きく変わります。

(和栗 恵)