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冷蔵庫の使い方間違ってない? 常温・冷蔵・冷凍 食材別の正しいゾーニングで食中毒予防を

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:池田 由美

冷蔵庫内の違い 賞味期限と消費期限 過ぎたら食べてはダメなのはどっち?

――冷蔵庫の中に保存しようとついいっぱい入れてしまいます。

「冷蔵庫はものを詰めすぎると、庫内温度が高くなり食品が傷む原因になるので、詰めすぎに注意しましょう。冷蔵庫内は3割くらい空きがあると良いと言われています。一般的に冷蔵庫には、冷蔵室、冷凍室、チルド室などありますが、それぞれの違い、保存に向いていない食材などを次にまとめます」

〇冷蔵室(約4℃ JIS規格により0~10℃)

一般の食品の保存に適しています。扉付近は開閉で温度が上昇しやすいので注意が必要。扉付近に保管しがちな卵や牛乳は、夏場にはできれば奥の方に入れた方が良いでしょう。バナナやアボカド、マンゴーなどの南国フルーツは低温障害を起こしやすいため常温保存が好ましいです。

〇冷凍庫(約マイナス20℃ JIS規格によりマイナス12℃以下)

冷凍食品がメインですね。意外なところでは小麦粉やみそは、凍らないので冷凍保存に向いています。水分が多いキュウリや大根などの野菜、繊維の多いゴボウやタケノコ、こんにゃく、豆腐、ジャガイモなどは冷凍保存には不向きです。

〇チルド室(約0℃)

食品が凍る一歩手前の温度のため、冷蔵室よりも温度が低く、新鮮な状態をより長く保てます。乳製品、ハム・ソーセージ、練り製品、干物などの保管に向いています。また傷みやすいモヤシやブロッコリーの保存もOK。もやしの袋は楊枝で数か所、穴を開けると更に良いでしょう。逆に、豆腐などの水分の多い食品は凍りやすいためNGです。パーシャル室(約マイナス3℃)がついている冷蔵庫もあると思うのですが、こちらは肉、魚、刺身など半凍結状態で保存できるため、凍りすぎては面倒な食品に適しています。

〇野菜室(約6℃)

冷蔵室よりも温度も湿度も高くなっています。ニンジンやホウレン草などは立てて、自然の状態に近い形で保存すると長持ちします。丸のままの野菜や果物は保存袋へ。レタスやキャベツは芯を取って、湿らせたキッチンペーパーを入れたり、切った野菜はラップでしっかりと包み空気に触れないようにして保存すると良いでしょう。米の保存にも向いています。低温障害で傷みやすいカボチャやサツマイモは、野菜室よりも常温保存のほうが良いですよ。


――賞味期限と消費期限もよく見かけます。今さらですが、まず「賞味期限」とはなんでしょうか?

「賞味期限とは、おいしく食べることができる保存期間が5日を超える場合に表示される年月日です。期限が過ぎても食べられなくなるわけではありません。3か月以上、保存できる食品には年月だけの表示でも良いとされています。非常時の備えとしてもストックしているご家庭が多い缶詰は、年月だけのものが多いと思います。ちなみに、卵は生ものですが賞味期限が表示されています。冷蔵保存を前提として、生で食べられる期限を指しています。期限が過ぎたものは加熱して食べましょう。


――賞味期限はおいしく食べられる期限。ということは、期限が過ぎたら食べてはいけないのは、「消費期限」ということですね?

「はい、そうです。消費期限とは品質が劣化されやすく、最長で5日以内に食べなければならない食品に表示されている年月日です。生肉や魚などに表示されています。期限が過ぎたものは、衛生上問題が起こる可能性が高いので、期限内に調理して食べましょう」

(Hint-Pot編集部)