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娘より息子を溺愛する母の悩み 片時も離れたくないのに引き離す夫が憎い存在に 「私は異常?」

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

息子と2人で出かける夫にも、やきもちを…!?

 倫美さんは、できるだけ娘さんと息子さんを差別しないよう十分にかわいがっている“つもり”だといいますが、先日どうしても気になることが起こったのだとか。

「夫の趣味がキャンプや釣りで、1人用のテントと釣り具を持って、よく海や山にぶらりと出かけるんです。別に1泊くらい夫がいなくても、それでストレス発散できるならいいや、なんて思っていたんですが、息子が最近になって『パパと2人でキャンプしたい』って言い出すようになってきて……」

 ご主人と2人で行きたいという息子さんの言葉に、倫美さんはなぜか寂しい思いでいっぱいになってしまったそう。そこで家族全員でキャンプに行くことを提案しましたが、家族からの反応は冷たいものでした。

「夫からは、シャワーもないような本格的なキャンプ場に行くし、虫嫌いな私には絶対無理だと思うと一蹴されてしまいました。小学3年生の娘も『私はお部屋で本を読んでいる方がマシ!』なんて言って、私の応援をしてくれないんです」

 結局、ご主人はパンデミックが落ち着いたら、息子さんを連れて2人きりでキャンプに行く約束をしてしまったそうで、倫美さんは今から息子さんがいない夜を考えるとパニックを起こしそうだと話します。

 もちろん「子どもはいつか親から離れていくもの」と、頭の中では理解していると言いますが、やはりまだ心の整理はつかない様子。

「分かっているんです。自分の感覚がおかしいっていうことは。でも、だからといってどうにもならないんです」

「ご主人の趣味がアウトドアじゃなければ、息子はずっと私のそばにいてくれるのに!」と、頭では言いがかりだと理解しながらも、思わずにはいられないという倫美さん。ご主人を、息子さんとの間を引き裂く、憎い存在にすら感じていると語ります。

 ある研究結果では「男児の脳は、女児の脳より繊細でもろいため母親の精神状態の影響を受けやすく、脳の発達も男児の方が遅いため、精神的なサポートをより多く必要とする」と報告がされています。

 今後、さらなる研究で解明されていくでしょうが、もしかしたら“母親”はそうした男児の弱さを敏感に感じ取り、女児よりも多くの愛情を息子に注いでしまうものなのかもしれません。

 しかし、だからと言って過剰な愛情を息子に与えてしまうことは、娘や夫に対してストレスを与えてしまうこともあり、家庭不和の原因になってしまう可能性もあります。

「とりあえず、夫と息子を笑顔で送り出せるように、鏡を見ながら練習しておきます!」と、倫美さん。彼女の懸命な努力があればきっと、幸せな家庭を壊すことなくいられることでしょう。

(和栗 恵)