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“夏の帰省要請”がしつこい義母 小2の娘の神対応で一転した嫁姑戦争の行く末とは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

仲良しの従妹を「だし」に娘を誘惑

 義母から最初の連絡があったのは7月上旬のこと。義父へ電話した後、しばらく義母からの電話攻撃が止んでいましたが、8月も目前となり、最近になってまたご機嫌伺いの連絡がかかってきたそう。しかも、「孫に取り次いでほしい」と言われ、嫌な予感がした美歩さんはテレビ電話で娘の横にぴったりとくっついて通話をすることにしました。

「義母は娘から『行きたい』と言い出すように仕向けたかったのか、娘と仲が良い姪の話をし始めたんです。姪は義実家と同じ県内に住んでいる義弟の子で、娘と同い年。その子が今年はどこにも旅行に行けないから、1人で義実家に泊まってみることにしたそうなんです」

 義母は庭でバーベキューや花火をすること、早朝に義父と一緒に虫取りに行くことなど、楽しそうなイベントが目白押しなことを強調。そして、美歩さんの娘も来られたらいいのに……と、残念がって見せたそうです。

「娘はその話を聞いて、すごくうらやましそうにしていました。しかも義弟のところには、その下に妹と弟もいるからとてもにぎやかで、一人っ子の娘は帰省する度にきょうだいができたみたいだって喜んでいるんです。それを知っているくせに、あわよくばで、そんな話をする義母に心底腹が立ちましたね」

娘の一言で一件落着 成長ぶりを実感

 しかし、美歩さんの娘は予想に反して、とても残念そうな表情をしながらも義母を諭し始めたそう。

「娘が『おばあちゃん、すごく会いたいけど今みんなが大変だからまた今度にしようね。(従妹)ちゃんが泊まり来た日はこうやってお電話して見せてね』って言うんです。大人たちの話やニュースなどを見て、子どもなりにさまざまなことを感じてきたのでしょう。今はそういう時期じゃないんだって、自分自身で判断したみたいです」

 孫からの反応を見て、ようやく義母は諦めたのか、それきり帰省について話してくることはなかったそう。

「実は私、最初の私だけ仲間外れにして夫と娘だけで帰省するように言ってきた義母からのメールに、内心とても腹を立てていたんです。もちろん帰省しないと言っているのにしつこい、という苛立ちもあったのですが……。そんなことも含め、結局、一番大人だったのは娘だったんだなぁって感じた一件でしたね」

 夏の帰省をめぐる嫁姑戦争でしたが、娘の思わぬ成長ぶりを感じた、うれしい出来事となったようです。

(和栗 恵)