からだ・美容
熱中症にも注意! 増加が懸念される「高齢者フレイル」 予防のための6つのポイント
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教えてくれた人:大手前大学 健康栄養学部・本多美預子先生
日本老年医学会が2014年から提唱している「フレイル」という言葉を知っていますか? フレイルとは「Frailty(虚弱の意)」から造られた言葉で、健康な状態と要介護状態との中間にある、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指します。本来であれば、症状や状態に見合った治療や対策を行うことで、健康な状態に近付けることができるそうです。しかし、新型コロナウイルスの流行が長引いていることから、フレイルの進行が懸念されています。大手前大学 健康栄養学部・本多美預子准教授に、高齢者に気を付けてほしい「新しい生活様式」を教えてもらいました。
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家に引きこもりがちな今こそ心身ともに活性化した生活を意識
「高齢者の方が新型コロナウイルスに感染すると、若い人に比べて重症化しやすいことが明らかになっています。しかし、高齢者が感染を恐れるあまり外出を控えすぎたり、身体を動かさない生活をしたりしていると、筋力の低下や食事量が減り、また人との関わりが少なくなることにより、身体や心の機能が低下することが危惧されます」
本多先生によれば、ウイルスを恐れるあまり家に引きこもってしまうのは、身体や心の機能が低下した状態(フレイル)が進みやすくなり、回復力や免疫力が低下してしまうといいます。
「免疫力を高めるためにも、新型コロナウイルスの感染対策だけでなく、フレイル予防に取り組むことが大切です」
フレイルを予防するためには、生活を活発化させることが重要なのだそう。
「フレイル予防や、フレイルを悪化させないために、普段の生活の中でできるだけ身体を動かすようにしましょう。コロナ禍の中、できることには限界があるとは思いますが、次に掲げる6つのアドバイスをぜひ実践してみてください」
1、座っている時間を減らす
2、室内でできるテレビ体操やスクワットなどをし、筋肉を低下させない
3、人混みを避けながら、散歩や買い物に出かける
4、少量ずつでも肉や魚などの動物性食品を食べて、たんぱく質やビタミン摂取不足にならないように気を付ける
5、食事はしっかり噛んで食べる
6、1日に1回以上、電話やオンラインなどを利用して、家族や友人とのつながりを楽しむ
本多先生が推奨する、生活を活発化するために心がけたい6つのアドバイスは、一見当たり前のことのように思えますが、意識をすることで知らず知らずのうちに少しずつ衰えていくことを防ぎます。
2のテレビ体操やスクワットは行いやすいので、無理のない範囲でぜひ習慣化してほしいもの。また、身体を動かすとともに、脳のトレーニングを行うのもフレイルの進行を防ぐ上で重要な役割を果たすのだといいます。
「思い出の場所や、友人や家族の似顔絵を描くのもいいと思います。また、スマホで遊べる無料ゲーム(オセロやマージャンやトランプゲームなど)や、クイズ、計算、漢字問題などをするのも脳のトレーニングになります」