からだ・美容
熱中症にも注意! 増加が懸念される「高齢者フレイル」 予防のための6つのポイント
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教えてくれた人:大手前大学 健康栄養学部・本多美預子先生
高たんぱくな食品を摂る際の注意点
また、4に挙げられた動物性食品の摂取については、次のように解説します。
「たんぱく質を摂取する際、カロリーやコレステロールは気になるところ。そこで少量でもしっかりと栄養を摂れる、動物性食品の肉類、魚類、卵といった“高たんぱく”な食品を少しずつ食べてください。中でも、魚類は脂肪酸の質が良いのでおすすめです。サバ缶やコンビニの魚惣菜を利用するといいでしょう。コンビニ総菜は割高感があるため食材から調理する方が安くできそうですが、一人暮らしで、調理する時間や手間を考えれば、コストパフォーマンスは決して悪くないと思います」
ところで、高たんぱくな食材として名前が挙がった「卵」ですが、1日に食べても良い量は決まっているのでしょうか。
「コレステロールについては、日本人の食事摂取基準(2020年版)で、脂質異常症の重症化予防を目的とした量が新たに設定されました(飽和脂肪酸の脚注に記載)。それによると『脂質異常症の重症化予防の目的からは、200ミリグラム/日未満にとどめることが望ましい』とされていることから、食べすぎはやはり良くないでしょう。現在、一般的には卵は1日1個なら毎日食べても大丈夫だとアドバイスする専門家が増えています。卵だけでたんぱく質を補充するのではなく、食事は少量ずついろいろな食品を組み合わせることが大切です」
卵を食べておけばいい、魚を摂っていればいい、とメニューを固定してしまうのも、身体の不活発化を招いてしまうもの。少しばかり面倒に思うこともあるでしょうが、毎日の食事についてあれこれと考えをめぐらせるのも、健康のために必要なことなのです。
熱中症にも要注意 自宅でもこまめな水分補給を!
本多先生によると、夏場は特に注意したいことがあるといいます。「熱中症」です。
「高齢になるとのどの渇きをより感じにくくなります。たとえ家の中であっても飲料を常に身の回りに用意し、こまめに水分補給するようにしましょう」
さらに、マスクを着けている時は普段よりのどの渇きを感じにくくなるため、熱中症のリスクが高まるようです。
「外出時にも飲料を携帯することが、熱中症予防につながります。外出時は100ミリリットルほどの小さいペットボトルに水を入れ、足りなくなったら外出先で補充するようにすると、荷物が軽く済んで便利です。500ミリリットルのボトルを持ち歩くのは重たくて疲れやすくなってしまいます。小さなボトルでこまめに補給。これを心がけてください」
本多先生のアドバイス6にもありますが、人とのふれあいを持ち続けることもまた、身体を活性化させるために欠かせません。友達がいない……というのであれば、自治体に問い合わせてさまざまなボランティアに参加してみたり、趣味やお稽古事を見つけてみたりするといいでしょう。
健康的に長生きをするために。ウイルスに負けない、免疫力を持った身体を作るために。閉じこもりがちな生活をしないよう、6つのアドバイスを取り入れて、生活習慣を改善してみてください。
(和栗 恵)