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からだ・美容

長時間のマスク着用で「マスク頭痛」や倦怠感… 呼吸を深めるセルフマッサージで不調を撃退!

公開日:  /  更新日:

著者:村上 華子

呼吸をもっと深めるための簡単セルフマッサージ

 今回ご紹介するのは、いつでもどこでも簡単にできる“呼吸を深めるための”セルフマッサージです。日々の生活に取り入れ、快適な状態を作るきっかけにしてください。

 
○横隔膜のマッサージ

 呼吸機能は、肋骨の下にある「横隔膜」というドーム状の筋膜が伸縮する働きなどによるものです。ところが、精神的なストレスなどによって身体が緊張すると横隔膜も硬くなり、呼吸がスムーズにできなくなることも。そこで横隔膜をほぐすセルフマッサージを行うと、身体の緊張をゆるめ、やわらかで深い呼吸へと導くことができます。

肋骨の下のハの字部分を確認。上方向に指を差し込む【写真:村上華子】
肋骨の下のハの字部分を確認。上方向に指を差し込む【写真:村上華子】

1、自分の季肋部(肋骨の下のハの字部分)を確認。そこから2センチ下から上方向に、えぐるように指を差し込む

 

上半身を前に倒す【写真:村上華子】
上半身を前に倒す【写真:村上華子】

2、息を吐きながら上半身を前に倒し、さらに指を深く差し込むように圧をかける。吸う息でゆっくりと起き上がる。同様に3セット繰り返す

 

○鎖骨下(中府)のマッサージ

 スマートフォンの使用やデスクワーク、家事や育児など、毎日の生活は前屈みになる姿勢ばかり。猫背になると、呼吸は浅くなりがちです。そんな時は「大胸筋」「小胸筋」をほぐすことで猫背などの姿勢が改善され、心地よい呼吸が行えます。

 また、呼吸を司る肺の経路※に「手の太陰肺経(たいいんはいけい)」があり、鎖骨下には「最初のツボ」といわれる「中府(ちゅうふ)」があります。この呼吸に関する肺の気をめぐらせることで、滞りが原因になっている肩こりの解消にも効果的です。(※経絡:中医学が考えるエネルギーの通り道)

 
【マッサージのやり方】

「中府」に指を当てる【写真:村上華子】
「中府」に指を当てる【写真:村上華子】

 鎖骨の外端、指1本分下にあるくぼみが「中府」のツボ。ここに指を当て、中指を中心にした3本指でくるくるとさすり、よくほぐします。気持ちが良い程度に左右まんべんなく。

マッサージが終わったら自分のペースで心地よい呼吸を!

 マッサージが終わったらそのまま目を閉じ、静かに座ります。マッサージを行った前と後で「変化している場所はあるか?」、もしあれば「そこはどんな感覚か?」と自分の身体の声に耳を澄まして、呼吸を行うための集中を促しましょう。

 そして、ゆっくりと鼻から息を吸い、またゆっくりと息を吐き出します。吐き出す息はため息をつくように口から吐き出してもかまいません。初めから深い呼吸をしようと頑張りすぎず、心地よい息のリズムを探りながら、十分にリラックスして行いましょう。全身に酸素が行き届くと、心も身体も生き生きとしてきますよ。

(村上 華子)

村上 華子(むらかみ・はなこ)

中医薬膳師、薬膳料理研究家、ヨガインストラクター。薬膳とヨガの教室【季結び庵】主宰。スーパーで手に入る身近な食材を使った季節の薬膳ごはんや、中医学とヨガの知恵を融合させたボディケアを研究中。自然と調和した心地よい毎日のために、日本の風土と個人の体質に合わせたライフスタイルを提案している。
インスタグラム:tokimusubian