仕事・人生
【私の家族】人気作詞家・及川眠子 離婚時に平常心を保てたのは猫のおかげ 「ただそこにいるだけ。それが心地いい」
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1985年のデビュー以来、多くのアーティストに歌詞を提供。「残酷な天使のテーゼ」など大ヒット曲を手がけてきた、作詞家の及川眠子(おいかわ・ねこ)さん。このほど猫写真家の沖昌之(おき・まさゆき)さんとともに“猫詩”写真集「猫から目線」(KKベストセラーズ刊)を刊行し、大きな話題を呼んでいます。自身も2匹の雑種猫と暮らす及川さんに、前編では、子ども時代の猫との思い出や、離婚時のつらい日々を支えてくれた先代の2匹について語っていただきました。「距離感がちょうどいい」と話す及川さんが感じる、猫との暮らしの魅力とは?
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ちょうどいい距離感が心地よい 先代猫たちとの出逢い
筆名が「ねこ」のためよく猫を好きかと問われますが、「大好きです」というほどでもないのかもしれません。ただ、実家で猫を飼っていたこともあり、昔から身近な存在だったのかなと思います。
実家にいたのはシャム猫で、ある日母がポケットに入れてもらってきたんです。それくらい小さな子猫でした。私は小学6年生くらいでしたが、その子は私のことを嫌いでした(笑)。猫は子どもが嫌いなんですよね、無理やり抱っこしたりするから。例に漏れず私も抱っこしちゃったりして。子どもはお世話もしないし、この子は親の方に懐いていました。
いざ、私が自分で猫を飼い始めたのは、1997年の年末。知り合いでアメリカンショートヘアを飼っている方がいて「子猫が生まれたから見に来ない?」と言われたのがきっかけです。
それで、見に行ったらかわいかったんですね。だから久々に飼ってみようかなと思いました。私は、犬が求めてくる距離感がちょっと苦手で、猫との方が居心地いいんです。猫って「かまってくれかまってくれ」っていうんですけど、ちょっとかまうと気が済むから。その距離感が自分とちょうどいい。その後、1998年の4月に母親が突然ロシアンブルーを連れてきて、我が家に招き入れて。それから2匹との生活が始まりました。