仕事・人生
加トちゃんを支える妻・加藤綾菜さん 今、介護を学ぶ思い 「実際におむつをはいてみた」
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介護はやっぱりしんどい でもだからこそ前向きでありたい
私が父の認知症と向き合った時、正直に言うと、最初に考えたことは「これが後、何年続くんだろう? 何でこんなにつらいんだろう?」ということでした。私の経験から言うと、残念ながら、介護は世話をする側の心が削られていくもの。そのことに気付いてからは「1人で抱え込んだらダメだ。プロの手にもしっかり頼り、母や自分がいかに楽できるか、それを考えよう」と思ったものです。
綾菜さんは、介護について最初に抱いていたイメージと、本格的な勉強を始めてみての「変化」について、次のように話してくれました。
「私自身で言えば、最初のうちは介護のイメージはあまり良くなかったです。精神的にきつい、大変そう、そんなイメージで、一生私には縁がないかもと思っていました。でも、(介護職員)初任者研修の資格取得に向けて学んでいくうちに、介護の尊さを知ったんです」
「でも……しんどい(笑)。これは学んでも一緒でした」
そう、そうなんです。
どんなに割り切っても、楽をしようと思っても、父のためだと思っても、しんどいものはしんどい。ただ、それを“声に出せるかどうか”が心を楽にできるかどうかの境界線なのだと、綾菜さんの言葉を聞いて自分自身、納得しました。
介護の現場で欠かせない「排泄のケア」 される側を試してみた
イベント内では他にも、介護をする日のための心がまえや、家族と介護について話し合うタイミングについてなど、介護に関するさまざま要素を、お互いの現状を通してお話させていただきました。そんな中、驚いたのは綾菜さんのこんなリアルな体験談。
「おむつ、私、はきました!」
介護の現場で欠かせないもの。それが、いわゆる「排泄のケア」です。綾菜さんは「おむつをしている側は、どんな気持ちを抱いているんだろう?」という疑問を持ったことから、実際に試してみたのだとか。
「いざはいてみたら、思った以上におむつが大きくて、こんな大きなものをしているんだと衝撃。しかも、ちょっとずれているだけで、そこがかゆかったり痛かったりするんです。うわぁ、おむつ一つはかせるのも、その人の気持ちを考えてやらなくちゃダメなんだ! って。自分がおむつをしてみて感じました」