甘えん坊でちょっぴり「ビビりなチャレンジャー」

　こうしてお迎えされたそうすけくん。ケアの甲斐もあり、目ヤニだらけだった目元はすっかりきれいに。そして、とっても甘えん坊な性格に成長しています。

「家族だけでなく、家に遊びに来た友人や親戚……。誰にでもスリスリしたり、ペロペロ舐めたりします。いろいろな人に『ゴロゴロ』のどを鳴らしながらお腹を見せるので、私が嫉妬してしまうこともあります（笑）」

　そうすけくんは独占欲もかなり強いタイプで、後から飼い始めた新入りねこをちぃさんがかわいがっていると、ジェラシーを感じているのか間に割り込んでくるそう。

「嫉妬が激しくてその子をちょっぴりいじめちゃうこともしばしば……。でも普段はとても仲が良いです」

　また、臆病だけど高いところが大好きという一面も。そんなそうすけくんとの思い出深いエピソードが。

　冷蔵庫やカーテンレール、2階の手すりの上など、家中の高い場所に乗っていたある日のこと。洗面台の照明の上に乗っているそうすけくんを見て、ちぃさんが「また乗ってるなぁ」と思っていたところ「ガッシャーーン！！」と、突然大きな音を立てて落っこちてしまったそう。

「どうやら体重が重くて照明のカバーが外れたらしく……。すごく大きな音だったので私もそうすけもびっくり。そうすけは落ちた後、しっぽをたぬきみたいにボンボンに膨らませて逃げていきました」

それでも懲りずに高い場所に乗り続けるそうすけくんのことを、ちぃさんは「ビビりなチャレンジャー」と呼んでいるそうです。

玄関の前でお出迎えしてくれる「瞬間」が幸せな時間

　こうして毎日、ちぃさんとそうすけくんは小さな思い出を重ねています。

「1日を終えて家に帰ると、そうすけが玄関のドアの前で待ってくれています。ドアを開けると『にゃー』と鳴いて、私の脚に前足を伸ばして抱っこをせがまれます。抱っこをすると『ゴロゴロ』と喉を鳴らしながら顔を舐めてくれます」

　ちぃさんにとって、そしてそうすけくんにとっても、この瞬間がとっても幸せな時間なのだと言います。

　小学生の頃からの夢を叶え、ねことの念願の生活を始めたちぃさん。そのエピソードの一つひとつに、そうすけくんへの深い愛が感じられます。出逢いは偶然だったけれど、“2人”は今やお互いにとってなくてはならない存在です。

　ちぃさんとそうすけくんの毎日が、これから先もずっとずっと、しあわせな“瞬間”に包まれる、温かく穏やかなものでありますように。

（猫ねこ部）