Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

からだ・美容

聴いていると眠くなる…「睡眠導入朗読」動画で話題の元NHKキャスターが語るその理由

公開日:  /  更新日:

著者:中塚 真希子

嘘か真か…そんな作品のセレクトも眠りを誘ってくれる

自身の朗読についての考えを明かしてくれたしまさん【写真:楢崎豊】
自身の朗読についての考えを明かしてくれたしまさん【写真:楢崎豊】

 しまさんには、“睡眠導入”の朗読をしている中で、いくつか心がけていることがあるといいます。例えば、声のトーン。ナレーションや話し方講座の時よりもトーンを落とし、しっとりと読み上げています。読み方もポイントの1つ。

「あまりドラマチックではなく、淡々と読むようにしています。朗読を習っていた時、先生によく言われたのが、『自分を出すな』ということでした。自分がこう読んでやろうと考えるのではなく、言葉の力を信じ、言葉が生きるように、淡々と読みなさい、と。

 もちろん、ただ読むだけでは棒読みになってしまうので、情景は思い浮かべています。声で、その世界観をデザインしていくイメージですが、それ以上は聞き手が想像を膨らませられるよう、作者にゆだねるくらいの気持ちで読んでいます。だから実は、聞き手を眠らせよう! なんて、まったく考えていないんですよ」

 それでも聴いていると眠くなってしまうのは、しまさんが選ぶ作品たちにも理由があるのかもしれません。

「宮沢賢治に小川未明……。そうですね。嘘か真か、みたいな話が多いかもしれません。皆さんを夢の中に誘う感じなので。疲れている方が、現実から離れて眠りに就けるような物語を選ぶことが多いかなと思います」

“眠るため”ではなく、日本語の教材として朗読を楽しむ人も

 ちなみにしまさんの朗読は、眠るために聴く人はもちろん、違う目的で聴く人も多いよう。

「『眠れました!』と言っていただけるのは、もちろんとてもありがたいです(笑)。また、日本語を学ぶ外国人の方に『いい教材になります!』と喜んでいただけたり、外国に住む方から『久しぶりに日本語が聞けてホッとしました』と言っていただけたり。受験生のお子さんの、『語彙力を深めるために聴いています』というコメントもうれしかったですね。

 そして何より、『自分もやってみたくなった』と言ってくださる方がいること。私の朗読が、誰かの背中を押すきっかけになれることは、本当に大きな喜びです。自分の声で思いを届けてみたい、何かを表現してみたい――。聴いた方がそんな風に感じてくださったら、こんなにうれしいことはありませんから」

 最後、しまさんにこれから挑戦したいことを聞いてみました。

「これからもたくさんの作品を朗読したり、いろいろなアーティストの皆さんとコラボもしてみたいです。そして私は、日本語とは音を紡ぐ言語、音が本当に美しい言語だと思っています。進化していく流行り言葉も素敵ですけれど、昔から語り継がれている日本語は、本当に美しい。物語と一緒に、日本語の良さと音の響きを、聴いてくださる皆さんとともに味わっていけたらなと思います」

◇島 永吏子(しま・えりこ)
フリーアナウンサー・話し方講師・ヨガ講師。
1978年1月17日生まれ、富山県出身。2003年、NHK富山放送局に入局し、ニュース番組や情報番組MCとして活躍。2012年よりフリーアナウンサーとしての活動をスタート。女子レスリング・吉田沙保里さん引退会見の司会を始め、ナレーションや話し方講師など、多岐にわたって活動中。2019年6月にYouTubeチャンネル「しまえりこの絵本読み聞かせ」を開設し、童話の朗読や話し方のコツを配信。現在、チャンネル登録者数は3.6万人超、動画の総再生回数は約350万回を数える。
公式サイト:https://shimaeriko.com
YouTubeチャンネル「しまえりこの絵本読み聞かせ」:https://www.youtube.com/channel/UCqJTLlYHaDjMragF5aVJb-w

(中塚 真希子)