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元NHKキャスターがトークの達人になる秘訣を伝授 「上品な話し方」のコツは?
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声がコンプレックスという人は物語を朗読してみよう!
Q.「声質がコンプレックス」という人も、きれいな声になることはできますか?
「私の講座にも、『声が低い』『声質がこもっている』『自分の声が嫌い』など、悩んでいらっしゃる方がたくさんいます。だけど、声に正解はありません。ただ、声それぞれに気を付けた方がいいポイントがあるだけ。例えば、小さな声は優しく聞こえるかもしれないけれど、聞き取りづらい。特徴のある声は素敵だけれど耳障りかもしれません。
自分の声の良いところを広げ、足りないところを補足していきましょう。声がコンプレックスという人は、グランドピアノのフタを開けずに弾いているようなものかもしれません。音は出ているけれど、フタを開ければさらに美しい音が広がる、というような。皆さん、もっと自分という楽器を生かすつもりで話されるといいかなと思います」
Q.自分の声が汚くて……なんて、思う必要はないのでしょうか?
「(きっぱりと)はい! それに、自分の声の可能性に気付いていない人も多いです。メイクやファッションはTPOに合わせて変えますよね? それなのに、声だけはいつも同じって、実はすごくもったいないこと。印象をぐっとアップできるので、声の可能性に気付いてほしいと思います」
Q.自分の声の可能性を見つけるためには、何をすると良いですか?
「“日常とは違う言葉”を声に出してみるのも、手です。例えば、物語を読むのも良いでしょう。私の講座では、コマーシャル原稿を読んでもらうこともあります。すると女性の場合は特に、パッと声色が変わるんです。模擬インタビューも効果てきめん。『ウーマン・オブ・ザ・イヤーの受賞インタビューに答えてください』というような課題を出すと、皆さん、声がガラッと変わり、自信に満ちて答えてくださいます。
中には自分の名前を言っただけで、『女優さんの名前みたいに聞こえる!』と喜ぶ方もいるほど(笑)。要は、声の響きがきれいになったから、同じ名前でもきれいに聞こえるんです。そうやって、どんどん自分の新しい声を発見していけるといいですよね」
「あの人の話し方は、上品」と思われるためには語尾がキモ!
Q.まず、第一印象で「品良く見られたい」「優しく見られたい」という人が、話し方で気を付けるべきポイントを教えてください。
「品良く優しく見られたい時は、語尾が大切。女性に多いのですが、語尾が強く響く癖を持つ方がいらっしゃいます。例えば語尾を必要以上に伸ばしたり、上げてしまったり。けれど本来、日本語のアクセントは語尾に向かって流れるように降りていくもの。その本来の流れを意識するだけで、話し方の癖はなくなります。すると食べ物と一緒で、癖がなくなるから、まろやかになる(笑)。優しく品のある印象になりますよ」
Q.逆に第一印象で「キリッと見られたい!」そんな時はどうすればいいでしょう?
「キリッと見られたい時は、語頭が大事! 1音目をしっかり出すと、力強くエネルギッシュな印象を与えられます。自信を持って声が出しやすくなるはずです。逆に、語頭を強くしないと聞き取りづらく、お相手に『自信がないのかな?』と、声で判断されてしまうので、気を付けましょう。ちなみに、1音目を力強く発声するためには、地声だと出しづらいかもしれません。いつもより少し高く、1音上げて発声するといいと思います」
フリーアナウンサー・話し方講師・ヨガ講師。
1978年1月17日生まれ、富山県出身。2003年、NHK富山放送局に入局し、ニュース番組や情報番組MCとして活躍。2012年よりフリーアナウンサーとしての活動をスタート。女子レスリング・吉田沙保里さん引退会見の司会を始め、ナレーションや話し方講師など、多岐にわたって活動中。2019年6月にYouTubeチャンネル「しまえりこの絵本読み聞かせ」を開設し、童話の朗読や話し方のコツを配信。現在、チャンネル登録者数は約3.8万人、動画の総再生回数は約350万回を数える。
公式サイト:https://shimaeriko.com
YouTubeチャンネル「しまえりこの絵本読み聞かせ」:https://www.youtube.com/channel/UCqJTLlYHaDjMragF5aVJb-w
(中塚 真希子)