若年層は「1人で利用しているところを他人に見られたくない」

　とはいえ、それでもおひとり様を避けたい場所はあるようです。「利用したくない場所」を尋ねてみると、飲食系では「焼き肉店」と「居酒屋」、「バイキング形式のレストラン」、「フレンチ専門店」が各3割弱となりました。

　焼き肉は食べるタイミングや量が近い相手だと楽しく食べられますが、相手が焼き肉奉行やたくさん食べるタイプだった場合、お会計などいろいろ腑に落ちないことも。だったら1人で自由に……と考えますが、ネット上などでは「1人焼き肉」をおひとり様の中でも“熟練者の領域”とする意見を見かけることがあります。そこで近頃は、「1人焼き肉」を専門にする店も話題になっているようです。

　飲食系以外での1位は「遊園地・テーマパーク（45.3％）」に。また「ボウリング」と「海外旅行」が各30％台、「カラオケ」と「国内旅行」が各20％台でした。

「遊園地・テーマパーク」のおひとり様は、年間パスなどを持っていつでも行けるようなリピーターが多いイメージですね。「海外旅行」もやはり慣れがあるでしょう。旅行で友人とケンカして大変なことになった……という話もあるようですし、行き先でやりたいことなどの目標が明確で、さらにそれを絶対に達成したい場合は、おひとり様が適しているのかもしれません。

　1人で利用したくない理由を聞くと、「他の人と利用した方が楽しい（50.8％）」や「1人だと利用しづらい雰囲気（37.6％）」といった回答がありました。若年層では「1人で利用しているところを他人に見られたくない」、女性30代では「他の人と感想などを共有したい」という回答比率も高くなっています。

　そこで、おひとり様派の意見を見てみましょう。「1人で利用するのが気に入っている施設・場所」について自由回答を募ったところ、以下の声が寄せられました。

「美術館を1人で時間を気にせずゆっくり見る」（男性25歳）
「国内旅行は自由にプランをその場で変えられる」（男性45歳）
「映画館で1人で映画を観ること。1人の方が集中して観られて良い」（女性29歳）
「デパートの屋上は1人でものんびりできます」（女性48歳）
「カラオケが好きで、友人とも、また1人でも利用するが、1人カラオケは、時間内にカラオケ以外のことも、メッセージアプリを打ったり、調べ物したり、仮眠したり、何でも自由にできる場所である」（女性63歳）
「ホテルのレストラン。感染対策が安心できる」（女性74歳）

　人目など気にせず1人の自由さを気ままに楽しむこれまでのおひとり様層にとっては、コロナ禍が作る生活環境はある意味で追い風とも言えますね。仕方なくデビューした層もそのうち目覚めてしまうかも……？　とはいえ、おひとり様の増加傾向は、今後しばらく続くかもしれませんね。

（Hint-Pot編集部）