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義母の“おせち作れ地獄”から15年ぶりに解放! 年末年始の帰省回避で狂喜乱舞する人たち 実録・里帰り親族バトル
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保護犬がきっかけで義父との関係が悪化 原因はやきもち?
関西地方在住の伴典さん(46歳・仮名)は、これまで義実家と安定した関係を紡いできたと自負していました。
「正月は毎年、我が家から車で3時間ほどのところにある妻の実家に、家族揃って4~5日ほど泊まります。面倒くさいなぁと思いつつも、妻のため家族のため……と、嫌な顔1つせず頑張って関係を築いてきたつもりです」
そんな関係が崩れたのは、3年前のお正月。きっかけは義実家に保護犬がやって来たことでした。
「義母が知人に頼まれ、保護犬を飼うことになったんです。すでに5歳になっていた成犬ですが、飼い主からひどい虐待を受けていたらしく、特に男性に対して恐怖心を抱いていると義母が言っていました。義父は元から動物が好きなので、何とか仲良くなろうとおやつをあげたり、散歩に同行したり。それでも、犬が義父に慣れることはなく、もどかしい思いをしていたようなんです」
ところが、理由はまったく分からないけれど、その犬が伴典さんに対しては警戒心を抱かず、初めて会った時からピタリと体を寄せ、くつろいだ姿を見せてくれたといいます。
「室内飼いをしているのですが、僕が家にいる時はずっとそばにいるんです。義母も妻も『何で!?』と不思議がっていましたが、義父は特に複雑そうな表情を浮かべていたのを覚えています。それ以来、義父からの当たりが強くて……」
昨年のお正月。伴典さんは義父の大好物をお土産に持っていきましたが、義父さんは「ん」と一言。滞在中も、話題を振っても素知らぬ顔で、さっさと自室に閉じこもってしまいました。
「義母と妻は『お父さんはやきもちを焼いているだけだから』と言いますが、もう3年経つんですよ? いくら何でも長くないですか? さらに今年は向こうから電話がかかってきて『わざわざ来なくていい』と言われてしまいました。妻は行く気でいるようですが、僕は金輪際行きたくない気持ちでいっぱいです。今年は……妻と子どもだけ、電車で帰ってもらおうかな」
姑から丸投げ! 地獄のおせち作りを続けた15年
帰省を免れて狂喜乱舞しているのは、北海道在住の美也さん(40歳・仮名)。同じ大学に通っていたご主人と、大恋愛の末に結婚してから15年。ご主人の健康状態により子どもはなく、その分、夫婦仲良く暮らしています。そんな美也さんの悩みは、東海地方に住む義母から毎年のようにオーダーされる「おせち作り」でした。
「北海道なら、おいしいものがいっぱいあるだろうから、おせちを作って持ってきてと……。結婚した時から毎年、言われ続けているんです」
ご主人からは義母のわがままを謝罪されつつも、「俺も手伝うから頑張ってもらえないか?」と言われたそう。美也さんはこれまで毎年、ご主人にも本当に手伝わせつつ、おせちの準備をしてきました。
しかし、6年前に義妹が結婚し、そのすぐ後に義弟が結婚。するとそれからは、義妹と義弟の家族の分のおせちもお願いされるようになったといいます。結婚したばかりで大変なのかもしれない。美也さんはそう自分を納得させ、言われた通り3家族分のおせちの準備をしてきました。
ところが、夫の弟妹が結婚して5年目となった昨年、美也さんはとうとう義母からの一言で堪忍袋の緒が切れてしまったのです。それは「今年もおせち、ちゃんと用意してね」という一言でした。
これまでおせちの材料費すら、一度も渡されたことがなかったという美也さん。「自分たちの口にも入るものだから」と思っていたからこそ我慢できましたが、義理のきょうだいの分まで無料で作り続ける理不尽さに、積年の怒りが爆発。
「ちゃんとって何? って感じでした。怒り心頭だった私は夫と相談して、地元の漁港で出していた1セット1万円ほどのおせちを3つ頼み、義実家に送ったんです」
昨年末、帰省するやいなや「手抜きをするなんて!」と非難の言葉をぶつけられた美也さんは、義母からの言葉をそのままご主人に伝えることに。ご主人はガックリと肩を落とし、目にはうっすらと涙を浮かべていたといいます。
「今年は義実家に帰る予定はないですし、今後おせちの準備はしなくていいと夫が言ってくれたので、15年ぶりに何もしなくていい贅沢な年末年始を過ごせそうです。2人前3万円くらいの高めのおせちでも買って、夫婦で楽しみます!」
義実家関係に悩まされてきた人たちにとって、今回のコロナ禍は予期せぬ転機となった様子。親戚付き合いも大切なものではありますが――今年の年末年始は人間関係を見つめ直す機会にしてみるのもいいかもしれません。
(和栗 恵)