インタビュー

美馬アンナさん 先天性欠損症の長男に「義手は必要?」 パラ競泳・一ノ瀬メイ選手の答えとは

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

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オンラインで対談した一ノ瀬メイ選手(右)と美馬アンナさん【写真:Hint-Pot編集部】
オンラインで対談した一ノ瀬メイ選手(右)と美馬アンナさん【写真:Hint-Pot編集部】

 女優やタレントとして活動する美馬アンナさんは、先天性欠損症により右手首から先がない1歳の男の子「ミニっち」の母として、子育てに奮闘する日々を送っています。プロ野球の千葉ロッテマリーンズで活躍する美馬学(みま・まなぶ)投手の妻でもあるアンナさんは、長男の誕生後、「使命」を感じるように。野球やスポーツを通じて、健常者と障害者をつなぐ活動や、障害を持つ子どもの家族が意見交換や情報共有をできる場を作るという目標を実現させるためにも、今月からさまざまなジャンルの方と対談をし、ヒントを探っていきます。

 第1回のゲストは、リオパラリンピックに出場した競泳の一ノ瀬メイ選手です。普段は右腕が短いことを忘れていまっているくらい、「自分にとっては当たり前のこと」という一ノ瀬選手は、インスタグラムやメディアを通じて積極的に発信。その前向きな言葉や想いから、アンナさんも「希望」をもらったそうです。

 大いに盛り上がったオンライン対談シリーズ(全3回)の最終回は、義手の必要性などについて語り合います。

 ◇ ◇ ◇

「リアルな手に見える義手をつけた時、怖くて泣いちゃったんです」

――息子さんの“先輩”でもある一ノ瀬選手に、アンナさんから質問があるそうですね。

アンナ:はい。医療関係の知り合いの方々から、小さいうちから筋電義手を使うことを勧められるんです。ただ、メイちゃんの記事や本を読むと、普段の生活にはあまり義手の必要性を感じなくて。実際に義手を使うようになったのはトレーニングをするようになってからですか?

メイ:トレーニング用の義手しか持ってない(笑)。泳ぎ込めば泳ぎ込むほど左右の筋力が変わってくるので、背骨が歪んでしまうこともあるんです。それで必要性を感じていたところに、大学の水泳部の監督に「トレーニング用の義手を作ればもっと動けるんじゃない?」って言われて、トレーニング用の義手を作ることにしました。でも、義手を作る方が持ってきてくれたサンプルの義手がリアルな手に見えるタイプのもので、それをつけた時に私、怖くて泣いちゃったんです(笑)。

 自分にとっては変なんですよね。なんかいきなり腕が3本できたみたいな感じで。自分にとっては腕の短い自分が普通であって、腕が短いから不十分だとは思っていないし、両手両脚が揃っていることが完成形だとは思っていない。生まれ持った自分の体が完成形だと思っているから、リアルな義手をつけた時、すごく気持ち悪かったんです。だから、「機械みたいな格好いい義手にしてください」ってお願いしました。今はトレーニング用で青、ヨガ用で黒の義手を使っています。

アンナ:親の心理としては、息子に「義手なんていらない!」って生きてもらうのが理想なんだけど、正直、私たちには必要か必要じゃないかが分からない。早ければ2、3歳から始めた方がいいって聞いて、迷っているところで。

メイ:私が子どもの時には筋電義手っていう選択肢がなかったから、あまり参考にならないかも。でも、前に片腕が短い水泳をやっている男の子に会ったことがあって、その子は小学校低学年で筋電義手を持ってましたね。でも、お母さんが「この子、絶対につけないんです。すぐ外しちゃって」って言うし、その子も「だっていらんもん、邪魔」って言ってたんですよ。親がつけさせようと思っても、いらないって思う子がいるっていうのは参考になるかな。

アンナ:親としては、少しでも生活しやすいように、義手が助けになるのであれば作ってあげたいと思うんですよね。