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仕事・人生

加トちゃん妻・綾菜さんが独白 志村けんさんの死に憔悴した夫を支えた2020年

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

仕事に関しては一切甘えはなし! 厳しい一面も

 加トちゃんから私への接し方にも変化がありましたね。一緒にいる時間が増えてから、愛情表現が増えた気がします。仕事から帰ってきて「綾ちゃんの顔見るとホッとするよ」なんて言葉をかけてくれたりして。加トちゃんの中でも、私に対する思いが変わってくれたのかな、と思っています。

 その一方で、仕事に関してはとてもシビア。結婚当初は専業主婦でしたが、ここ1〜2年で現在の事務所に所属して仕事と家事を両立するようになり、生活も大きく変化しました。なるべく料理をしてから外出するなど工夫はしているのですが、時々焦ってしまうことも。そんな時、加トちゃんが「一歩ずつだよ~」とか「ゆっくりゆっくり~」って声をかけてくれるんです。でも、加トちゃんから唯一厳しい言葉が出てきたことがありました。

 それは仕事を始めて、うまくいかないことや不安があって、悩みを打ち明けた時のこと。話を聞いていた加トちゃんは「一流でもないのに、一流みたいに悩みを吐くな」と。芸能界での仕事の話となると、加トちゃんは私を決して甘やかすことなく、第三者的な視点で見てくれるんですよ。

「仕事なんて、うまくいかなくて当たり前。一流の人だってうまくいかなくて悩むことがあるんだから、仕事を始めたばかりの人間が悩むこと自体が間違っている」って言われて、「そうか、そうだよな、一流になるまでは不満を口にすることなく、がむしゃらにやるしかないんだよな」って、反省しました。

 加トちゃんは本当に優しいので、私たち夫婦はケンカをすることはほとんどないのですが、時には機嫌が悪いことも。でも、なるべく1人になるなど、放っておきます。お互いスルーするのが得意なのか、ぶつかることはないですね。それと、どうしてもイライラした時は「7秒待つ」ようにしています。これが夫婦円満の秘訣かもしれません。

10年前は未熟だった バッシングも成長の糧に

 こうして厳しい一面もある加トちゃんですが、“ミニ仏”ってあだ名をつけるくらい普段は仏のように優しいんですよ。なので、これまでの結婚生活を漢字1文字で表すとしたら、「和」ですね。結婚した当初はバッシングを受けたりもしましたが、実は家の中はずーっと平和でした。

 10年前は私自身がとても未熟だったなと今では思います。大学時代のノリのままで結婚をしてしまったというか……。だから逆にバッシングがあったことで「成長する機会をいただけた」と思っているんです。結婚した時に「おめでとう」って誰もが祝福してくださっていたら……調子に乗っていたかもしれません。

 バッシングがつらくなかったと言ったら嘘ですが、批判のコメントが1日2000件あったとしても、1000件くらいは応援コメントをいただいていて。ちゃんと見て下さっている方がいたので、応援の声でつらさは半減していましたね。結婚から7~8年経つ頃には「加トちゃんと綾菜ちゃんみたいな夫婦に憧れています!」なんて言葉を、街中でいただくようにもなっていって……すごくうれしかったですね。

 まぁ、かれこれ10年一緒にいるので、さすがに「この2人は本当に好きで結婚したんだな」って思ってくださる方が増えたのかな? と思います。

 実はこうして無事、加トちゃんと10年近くも一緒に過ごしてきた記念に、本当は昨年の秋にサプライズのハワイ旅行を企画する予定だったんです。私も働くようになったので私のお金で連れて行きたくて、こっそり貯金もして、舞台のスケジュールも把握して。なのに、コロナ禍で行けなくなってしまいました。

 だから今年こそは、10周年のお祝いを兼ねてどこかに旅行に行けたらいいな、なんて思っています。まだ海外は厳しそうだから、行くなら沖縄かな。温かいところなら、気持ちが明るくなって、散歩とかしてくれそうですよね。

(和栗 恵)