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コロナ禍で郊外への「住み替えニーズ」上昇 中古マンション価格の相場に下落傾向なし
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中古マンションはニーズ上昇 郊外物件が人気の理由はテレワーク?
竣工を待たずに入居できる中古マンションは、リノベーションブームなどもあってコロナ禍前から一部の注目を集めていました。2020年に物件を購入しての引っ越しを考えた人にとっても、恐らく人気の選択肢だったことが考えられます。そこで同社は、保有データから2020年3月度と9月度の平均坪単価を比較して、中古マンションの「騰落率」(新築時の販売価格からの変化率)を算出しました。
その結果、坪単価はコロナ禍でも上昇傾向にあり、騰落率の全国平均はプラス1.15%に。また、調査対象のマンション件数が200件超ある14都府県で騰落率をランキング化すると、1位の「福岡県(2.39%)」から13位の「広島県(0.11%)」まではすべて上昇。14位の「神奈川県」のみマイナス0.20%の下落でしたが、ほぼ横ばいとも言える数値です。この結果から、相場の下落傾向は見られず、住み替え需要の落ち込みはないことが考えられます。
全国の町名別ランキングでは、1位に「埼玉県新座市野火止」や「大阪府吹田市山田西」、「千葉県船橋市習志野台」など15エリアが20.1%で並び、16位には「神奈川県川崎市宮前区鷺沼」や「東京都中野区南台」など4エリアが20.0%でランクインしています。
ランキング上位に都心から少し離れたベッドタウンや住宅街エリアが目立っていることから、テレワークの普及に応じて部屋数や広さを求める人が増加傾向にあると言えるでしょう。また、テレワーク主体の勤務体制になると、勤務先から多少離れてもOKと考える人が増えているのかもしれません。
同社によると、相場が景気と連動して上昇する際は通常、都心部での価格高騰を皮切りに城南エリアへ南下し、そこから千葉方面まで「の」の字の流れで価格上昇が波及する「『の』の字現象」の傾向が強いそうです。このため、2020年の相場はコロナ禍ならではの動きだと推測できるとしています。
また、東京都下ランキングでは、1位に「東京都世田谷区桜丘」や「東京都文京区大塚」、「東京都品川区旗の台」など5エリアが20.1%で並んだ他、30位までには山手線エリアから少し離れた地域も多くランクインしています。
コロナ禍の影響がまだまだ続きそうな2021年。「新しい生活様式」をできるだけ快適に送るためにも、より自分のスタイルに合った場所への住み替えを検討する人は今年も多いかもしれませんね。今後も中古マンションは争奪戦が激しくなりそうな気配もありますが、広く情報を入手してチャンスを逃さないようにしたいものです。
(Hint-Pot編集部)