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漫画

あおり運転かと覚悟を決めたら…“本当にあった怖い話”を描いた漫画に共感の声 「同じような経験ある」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「やっぱりヒーローって、名乗らず去ってしまうものなんですね」

 15年前の実体験を描くことにした理由や漫画の“その後”などについて、カワカミ@漫画家(@JUNKIES_1)さんに話を伺いました。

Q.15年前の体験を漫画化しようと思ったきっかけや理由を教えてください。
「YouTubeで『漫画家チャンネル』という、現役のプロ漫画家が漫画のあれこれについて語ったり、体験したり、漫画家さんの仕事場を紹介したりするチャンネルを運営しています。その企画で『漫画が描ける旅館』として話題の『土善旅館』さんを紹介させていただいた際、宿泊中に4ページ漫画を描いてみようという動画を撮ったことがきっかけです。完全な創作漫画よりは体験を元にした方がショートネタには向いてるかなと思い、記憶を掘り起こして漫画にしました」

Q.給油キャップを届けてくれたと知った瞬間の率直な気持ちは?
「まずはびっくりしたというのが一番でした。そもそも『あおり運転をされている』と感じていて、自分も車を降りたということは……いわゆる“そういう展開”を予期してるわけじゃないですか(笑)。でも、届けてくれたことがすぐに判明して、うれしいやら恥ずかしいやら、申し訳ないやら……。運転に戻ってから改めて状況を思い返すと、『いや……あのまま走ってたら……怖っ!!』となりましたね。ほんと、わざわざ届けに来てくれた方には感謝しかありません」

Q.漫画の“その後”について教えてください。届けてくれた方たちは最後のコマにあるやりとりの後、すぐに帰られたのでしょうか?
「実際に『ありがとうございます』を何度伝えたか分からないくらい感謝しきりでした。自分が逆の立場なら、見知らぬ人が忘れた給油キャップをわざわざ車で届けるかとなったら、『絶対にできる』と即答できませんしね。(車を止めた時は)田舎道で周りに何もなく、暗がりの中、車のヘッドライトを背にキャップを持って現れてくれた、まさにヒーローみたいな方たちでした。ただ、いろんな感情が入り乱れ、結局感謝しか伝えられなかった僕は、名前も連絡先も聞けず、お礼もできずに去っていくのを見送っただけ。やっぱりヒーローって、名乗らずに去ってしまうものなんですね……」

Q.この出来事の後、ご自身の中で変化したことがあれば教えてください。
「ドライバーの間でパッシングやクラクションは時にサインとして使われますが、やっぱり後ろから必要以上にされると、受け取り側はどうしても良いものだと思えないですね……。あおり運転は今でも度々ニュースで目にしますし。ドライバーとしてよく思うのですが、例えば漫画に描いたような状況の時に、後ろの車からでも正しくコミュニケーションが取れるようなツールがあればいいのになぁ……と。そうすれば、『今より少しだけ世界は平和になるのかな?』と思ったりします」

Q.大きな反響となりましたが、心に残った感想や感想を読んで気が付いたことなどがありましたら教えてください。
「リプライや引用リツイートはすべてありがたく読ませていただきました。多かった感想が『自分も同じ経験ある!』といった共感の声だったことは、すごくうれしかったです。『自分は追いかけて渡す方を経験した』みたいな逆パターンの方の声もあって、この『あるある』について漫画を読んでくれた皆さんが盛り上がってくれているのもうれしかったですね。あと、作中で地元を『兵庫県の豊岡市』と描いていたので、同郷の方たちが反応してくれたのも意外でした」

 2年前まで「週刊ヤングジャンプ」で「優良少女ファミリヤン」(コミック全3巻)を連載していたカワカミ@漫画家(@JUNKIES_1)さん。現在は、今回の漫画を描くきっかけとなったYouTube「漫画家チャンネル」の運営にも力を入れているそうです。これからも面白い作品を期待したいですね。

(Hint-Pot編集部)