どうぶつ
側溝から一晩中助けを呼んでいた子ねこ 一時預かりのつもりが家族全員メロメロに
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住環境や年齢、金銭面……ねこをお迎えする時、真剣であればあるほど、さまざまなことを考えます。「本当に飼っても大丈夫?」「最期の瞬間まで幸せにできる?」と自問自答する人も多いはず。でも、そうして悩み抜いてお迎えしたねこが成長し元気に暮らす姿を見るのは、何物にも代えがたい幸せでしょう。野良ねこを保護したものの、最初は引き取るつもりはなかったという女性。ところがお世話をしているうちに、今ではかけがえのない家族の一員となったという奇跡の物語をお届けします。飼い主の白玉さん(@igorogogo)さんに話を聞きました。
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同僚が側溝に落ちた子ねこを発見するも引き取り手がいない…!
推定年齢1歳9か月のトロちゃんこと「とろろ」くん。飼い主さんによると、人懐っこく、ちょっぴりどんくさい性格なのだそう。しかし、とても甘えん坊で家族が出かけようとすると、「行かないで~!」と足にじゃれついて引き留めてくるのだとか。
今ではとても人慣れし人間が大好きなトロちゃんですが、実は元野良ねこです。2019年の5月末頃、親ねことはぐれ側溝に落ちていたところを発見されました。
「ある日、同僚が浮かない顔をして出勤してきたんです。話を聞くと『家の隣の空き家に野良ねこ一家がいるんだけど、その中の1匹がはぐれたのか一晩中鳴いていて……。朝見たら側溝に1匹落ちていた。親ねこは迎えにくると思う?』と相談されました」
この日はあいにくの雨。側溝に残され雨ざらしになっていた子ねこの体力を、同僚は心配していたそう。しかし、諸事情から助けてもその後の面倒を見ることはできないと相当困っているようでした。
「私自身もねこを引き取るのは難しいと思っていました。実家住まいの頃、茶トラねこを18年間飼っていたので、実はねこは大好きです。でも、我が家が賃貸なことや、18年目でねこを見送った母は年齢的に『もう生きているうちは飼えないな』と言っていたので、実家で飼うのも無理だと思ったのです」
とはいえ、このままだと側溝で鳴いているねこは死んでしまうのではないか、でも一度姿を見てしまうと情が湧いてずっと預かることになるし……と、その日の仕事中、ずっと悶々としていました。そして、終業時間が近付いた頃、飼い主さんは同僚に1つ提案をしました。
帰宅してもまだ母ねこが迎えに来ていなかったらいったん、“子ねこを保護する”ということ。そして、“里親募集のアプリなどで新しい飼い主を募集する”ということでした。
「あくまでも、苦肉の策のつもりでいたので、『どうか母ねこが迎えにきていますように』と願っていました。けれども、『まだ溝に落ちていた!』という連絡が同僚から来た時は、うれしいような困ったような、複雑な気持ちでいっぱいでした」