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俄然気になる役者・山田杏奈 監督が「要注意人物」と語った理由とは?

著者:関口 裕子

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(C)行成薫/集英社(C)映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会
(C)行成薫/集英社(C)映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会

 1月8日に20歳を迎えたばかりの山田杏奈さん。10歳で少女漫画雑誌のキャンペーンガールとして登場し、以後は多数のテレビドラマや映画に出演しています。10代で早くも主演を飾るなど、現在注目の若手女優です。そんな山田さんの最新作は、小説を映画化した『名も無き世界のエンドロール』。衝撃的な展開が話題の本作では、短い出演ながらも重要な役柄を演じ切り、業界内の評価も高いようです。映画ジャーナリストの関口裕子さんに解説していただきました。

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ストーリーを大きく展開させるトリガーという“任務”

 映画やドラマを観ながら、物語の流れとは別に、俄然気になる役者に出くわした経験はないだろうか。『名も無き世界のエンドロール』の山田杏奈がまさにそんな存在だった。

 山田杏奈は昨年11月6日公開の『ジオラマボーイ・パノラマガール』に主演。現在放送中のドラマ「書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」(テレビ朝日系)にはレギュラー出演しており、映画では本作の後も『哀愁しんでれら』と主演作『樹海村』が公開予定と、今最も勢いを感じる女優だ。

 本作は小説すばる新人賞を受賞した行成薫の同名小説を、佐藤祐市監督が映画化した作品。貧しく複雑な家庭環境で育つ少年キダ(岩田剛典)とマコト(新田真剣佑)は、少女ヨッチ(山田杏奈)と出会い、生きるよすがを手に入れる。だが2人の元からヨッチが欠けた日から、彼らの目的はある計画を遂行するものへと変化していく。

 小学生の時にキダとマコトのクラスに転校してくるヨッチは、親がいないことや髪の色が明るいことなどが何かの障りになったのか、前の学校ではいじめられていたという設定。好きなものはタバスコと粉チーズをたっぷり振りかけたナポリタンと映画。怖いものは自分の存在が忘れ去られることだった。

 友情の発端は、彼女に自己紹介を強いる教師にキダとマコトがいたずらを仕掛けたこと。だが、高校を卒業するころから3人の関係性に恋愛という感情が入り込んだ。これは物語を大きく変える“導線”でもある。

 幼なじみの関係性に恋愛感情が芽生えていく物語はさほど珍しくないが、ヨッチはストーリーを大きく展開させるトリガーという“任務”を背負っている。それゆえ短い出番で多くのことを観客に伝えなければならないが、その役割はとても難しい。大げさに演じてしまうケース、伝え切れないままのケースをよく見かける。