からだ・美容
「生理の貧困」問題を整理した図説イラストに称賛の声「私も寄付したい」
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「私個人ができる範囲で何かないか」というメッセージを込めたかった
渡辺さんにイラストについて、さらに詳しくお聞きしました。
Q.話題のイラスト図解を描く上でこだわった点を教えてください。
「『教育現場で何とかしてほしい』や『学校側が解決してほしい』などというつもりはまったくなかったので、そのようにとらえられないよう表現に気を使いました。また、『子どもに生理用品は必要ないとする家庭』は、実のところそんなに珍しいケースではありません。当事者にトラウマ体験をフラッシュバックさせるようなことがあってはいけないと思い、気を付けました」
Q.図解には「学校にナプキンを寄付したい」とメッセージ添えていらっしゃいました。この考えについて詳しく教えてください。
「政府や学校任せにするのではなく、『私個人ができる範囲で何かないか』というメッセージを付記したかったので、『寄付』という言葉を使いました。これは現物を送るというよりも、お金をイメージしています。学校に現金を寄付することは、当然ながら法律上の問題があるのですぐにはできません。このため例えば公的な機関に募金をして、そこからメーカーを通して学校に現物給付するような形をイメージしています。
また、今回のツイートが広まるにつれ、『メーカーさんが寄付付き商品(売り上げの一部を一定額利用するもの)を販売してくれたら、みんなで買うよね』といったアイデアを伺えたり、実際にそういった活動をされている団体を教えてもらったり、できそうなことはことがたくさんあるなと思いました。もちろん、本来の理想は税金による『公的扶助』として、すべての子どもたちに支援が行き届く状況です」
Q.大きな反響となりましたが、心に残った感想や、感想を読んで気が付いたことがあれば教えてください。
「私が想像していたよりも、図解で左側に描いた家庭(親の無理解による生理用品の不支給)で、実際に苦しんでいたという方からの反響が多かったです。その一方、『まさかそんな家庭があるなんて』というご意見も同数くらい来ています。このことから、家庭内の問題は外に見えづらいんだなと改めて感じました。
また、ナプキンの保管が案外難しいことも新しい発見でした……。飲食店のトイレなどに無料サービスとして置かれていることがあり、あんな感じでできるのが理想だなと思っているのですが……。どんどんと情報が集まってきて勉強になりました」
普段は、ブログ「いわしブックス」で“いかに楽するか”のアイデアを発信しているという渡辺さん。また、「生理と貧困問題」に限らずつらい思いをする子どもたちに目を向け、まずは個人ができることとして「子ども食堂」に対する寄付や募金なども行っているそう。
生理中の状態は人によってさまざま。そしてさらに、それぞれの家庭環境も違います。あらゆる大きな問題は一元化して考えるのではなく、問題に含まれる要素を細分化した上で、それぞれの本質を見抜くことが大切と言えそうです。
(Hint-Pot編集部)