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公共交通機関の背もたれ、どこまで倒していい? 実際にあった恐怖のトラブル
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まだまだ気軽に旅行できる状況ではありませんが、ゴールデンウィークやお盆休みといった長期休暇が始まると、必ずと言っていいほど話題に上がるのが「シートをどこまで倒すか問題」です。自分では配慮していたつもりでも実は迷惑をかけていた――なんてこともあり「どこまで倒すのが正解?」と悩んでいる人も多いはず。今回は、そうしたトラブルに巻き込まれてしまった女性の体験談をお届けします。
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夜行バスで後ろの人から座席キック 恐怖の一夜体験
「どこまで倒すか問題」でトラブルが多いとされる乗り物の1つが夜行バス。初めからリクライニングされたシートが用意されているバスもありますが、格安バスの中には一般的な観光バスと同様のシート配列を使用していて、背もたれを倒してしまうと確実に後ろの人の迷惑になってしまうことがあります。
学生時代はお金を節約するため、里帰りの際は必ず格安の夜行バスを利用していたという東京都在住の聡美さん(仮名・28歳)。しかし、ある夜を境にバスの利用をやめることになりました。
「都内の駅から地元まで直通バスが出ていたので、便利に使っていました。大学3年の冬、いつものようにバスに乗り、シートを軽く倒し、アイマスクを着けて眠りに就こうと思ったんです」
ものの5分と経たないうちに、ガンッガンッと座席を蹴られ、聡美さんは驚いて起き上がりました。アイマスクを外して後ろを見ると、後部座席に座っていた50代くらいの男性が足を止め、鋭い視線で聡美さんをにらんできたといいます。
「一声かけてから倒せば良かったのかなと思い、男性に『お声がけせず倒してしまってすみません』って謝りました。その時は男性が特に何も言わなかったので、納得してくれたと思ったのですが……」
再び寝ようとした聡美さんでしたが、その後も男性はことあるごとに、聡美さんの座席を蹴り続けたといいます。困った聡美さんは運転手を頼ろうとするも、運転中は声をかけることができないため、仕方なく座席のリクライニングをすべて戻し、ほぼ垂直に座った状態に。トイレ休憩の時も後ろの男性の目が気になって乗務員に話しかけることができず、結局そのまま朝を迎えることになりました。
「明るくなってから見たら、後ろの男性自身はいっぱいまで座席を倒していたんですよ。それを見た瞬間、本当に腹が立って腹が立って仕方ありませんでした。今なら文句を言い返せると思うのですが、当時はまだはたちそこそこ。怖くて何も言えなくて、ただ泣きそうになっていました」
バスは座席の間隔が狭いことが多く、こうしたトラブルは多いもの。シートピッチが広い仕様のバスを選ぶなどして、トラブルを回避するしかありません。