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医師に聞く“実は怖~い花粉症” 極度に悪化すると命にかかわる場合も?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 佑輔

花粉の侵入を防ぐには服装に工夫を 食べ物は医学的な根拠が不足

 多くの病気は生活習慣などの改善で予防できますが、「アレルギーは気合だけでどうにもならない」と鈴木先生。まずはマスクやゴーグルなどで、体内への花粉の侵入を物理的に防ぐことが大切だといいます。具体的にはどのような方法があるのでしょうか?

「衣服はポリエステルやナイロンのウィンドブレーカーなど、ツルツルした生地のものを羽織るのが効果的。家に入る前に外ではたくことで、花粉の侵入がかなり防げます。ウールや毛糸のセーターなど、花粉が付着しやすいものを着る時でも、こまめに洗濯したりクリーニングに出すことで多少はマシになるでしょう」

 また、意外と髪の毛にも付いているので、帽子などをかぶることも効果があるそう。一方で近年、乳製品やグルテンフリーの食生活が花粉症予防に効果的と言われていますが、これらは医学的な根拠がまだないといいます。

「医学論文のようなはっきりとしたエビデンスがないので、医師の立場からは効果があるとは言えません。あくまで民間療法の1つと思っていただければ」

以前と比べて安くなった治療費 病院での診察も検討を

 では、医学的な根拠のある治療法にはどのようなものがあるのでしょうか? 鈴木先生によると、この数年で治療法はかなり変わってきているそうです。

「これまでは季節ごとの抗ヒスタミン剤投与が一般的でしたが、4~5年前からは舌下免疫療法といって、あえて流行前からアレルゲンを体に入れて慣らしていく、根治を目指した治療法も出てきています。治療開始から半年後には効果が出始めますが根治には数年かかり、また残念ながら約2割はまったく効かない人もいる」

 とはいえ、治療費は抗ヒスタミン剤より安いので、重度の花粉症に悩まされている方はやってみる価値はあるとのこと。

「また、最先端の治療では抗IgE抗体の注射が昨年認可されました。こちらは重篤な人のみですが、かなりの効果が期待できます」

 近年ではジェネリック薬品も開発され、治療費も以前と比べると安くなってきているといいます。市販薬で騙し騙しシーズンを乗り切るより、やはり一度病院で診てもらう方が解決は早いのかもしれませんね。

(Hint-Pot編集部・佐藤 佑輔)