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フィリップ殿下の静かで穏やかな最後の日々 ウィンザー城でこの世を去った理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

退院後に「どの病院にも戻らない」と宣言

ロンドン市内にはフィリップ殿下を追悼するスクリーンも【写真:AP】
ロンドン市内にはフィリップ殿下を追悼するスクリーンも【写真:AP】

 コラムは殿下が暮らしていた空間についても明かしている。殿下のシンプルな寝室は城のイーストテラスを見下ろす位置にあり、女王のドレッシングルームとつながっていたそうだ。寝室に飾られた数少ない私物の中には、母アリス王女とエリザベス女王の写真を入れた2枚の額も。また、執務室のデスクには子どもと孫たちの家族写真が置かれ、結婚式の日に撮影されたチャールズ皇太子とダイアナ元妃の写真もあったという。

 この寝室に飾られていた母アリス王女の写真は、殿下がウィンザー城で最期を迎えた理由を推測する鍵のようだ。コラムによると、以前の殿下はサンドリンガム・ハウスでの生活に戻ることを望んでいたが、入院中に3度目のロックダウン措置が実施されてしまった。

 代わりに“病院で人生を終えないこと”を決意し、退院後には「どの病院にも戻らない」と宣言。この時、「殿下にはできるだけ快適に過ごしていただくこと」との指示が出たという。また、6月に迎える100歳の誕生日も、殿下にとっては重要ではなかったそうだ。

「彼(フィリップ殿下)にとっては、自分のベッドで亡くなることが重要だった。日付は重要ではない。ビクトリア女王の曾孫である母アリス王女がウィンザー城で生まれたことの方が、はるかに重要だった」

 そうして殿下は、静かで穏やかな最後の日々を、女王とともにウィンザー城で過ごした。殿下の健康状態にも劇的な変化はなく、すべてが徐々に低下していったという。スタッフは死去した9日の週の初め、手紙を読み書きするなど殿下の調子が良かったことを語っていたそうだ。

 一方で、殿下の死に関する準備は、8日夜の時点ですでに始まっていたという。夜遅くに宮殿スタッフは、死去発表の公式声明文についてタイピングの練習をしていたそうだが、コラムの最後は「バッキンガム宮殿の近代化に向けて多くを行ったフィリップ(殿下)は、これを間違いなく承認しただろう」と結ばれている。

 英国に帰化して王室に入り、公私にわたり女王を支えた唯一無二の存在。時には大胆な行動もあったが、女王と王室を常に深く理解し、守る立場として存在感を示し続けた。いわば女王と王室にとって太陽のような存在であった殿下は、ウィンザー城で美しい夕日となり、静かにその生涯を閉じたのだろう。

(Hint-Pot編集部)