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武井咲が「るろうに剣心」シリーズで映画復帰 結婚・出産を挟み役とともに生きた10年
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役を生き、実生活ではありのままに生きることを体得した姿
このシリーズは、和月伸宏原作の同名大人気コミックの実写映画化だ。誰もが幸せに暮らせる世を作るため、“人斬り抜刀斎”として刀一本で幕末を駆け抜けた緋村剣心(佐藤健)が、「二度と人は斬らない」という誓いのもと、斬れない刀・逆刃刀に持ち替えて日本転覆を企む悪と戦う姿を描いている。
シリーズ最新作『るろうに剣心 最終章 The Final』では、剣心にかつて妻がいたことから生み出された敵との闘いが描かれる。剣心とともに生きることを願う薫は、その事実をどう受け止め、どのような道を生きるのか、不退転の決意をする。大人になった薫と、役とともにこの10年を生きた武井がかぶって見える。
剣心を演じた佐藤健とは5年ぶりに撮影現場で顔を合わせた。武井の印象を聞かれた佐藤は「違う人になっているんじゃないかと怖かったけれど何も変わっていない。艶っぽくはありますが薫のままで安心しました」と答えていた。
武井は、プライベートの自分を芸能人だと意識することがないという。役を生き、実生活をありのままに生きることを体得したからこそ、変わることなく存在することができるのだろう。
さまざまな経験を積み、多くのものを得てなお変わらずにそこにいることができる才能。1作目のおきゃんな剣士から、『京都大火編』と『伝説の最期編』を経ての変化をぜひ観てほしいと思う俳優の1人だ。
『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』 The Final 4月23日(金)・The Beginning 6月4日(金)全国ロードショー (c)和月伸宏/集英社(c)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会
(関口 裕子)
関口 裕子(せきぐち・ゆうこ)
映画ジャーナリスト。「キネマ旬報」取締役編集長、米エンターテインメントビジネス紙「VARIETY」の日本版「バラエティ・ジャパン」編集長などを歴任。現在はフリーランス。