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仕事・人生

元“歴ドル”は年商3000億円を目指す会社社長 芸能界を引退した驚きの理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:中野 裕子

「定年後まで現役で生き生きできる世の中を作っていきたい」

「仕事が趣味」。今の仕事に夢中だという【写真:山口比佐夫】
「仕事が趣味」。今の仕事に夢中だという【写真:山口比佐夫】

「ぴんぴんころり」の社員は3人。小中学校時代の同級生やその友人に協力してもらっています。コロナを機に去年3月ぐらいからリモートワークに切り替え、シニアワーカーとの面談もオンラインに切り替えたので、会社で顔を合わせるのは週1日ほど。基本は自宅で朝10時から、夜は寝る直前の11時ぐらいまで仕事をしています。

 仕事が趣味なので(笑)、土日はカスタマーサポートをしています。夢の中でもアイデアを考えたりしていて、夢の中でメールの返信をしたのか実際に送ったのか、分からなくなることも(笑)。それぐらい、今の仕事には夢中になっていますね。

 結婚ですか? できたらいいな、と思っています。子どもも2人は欲しい。子どもができたら、私自身も「東京かあさん」を利用して、仕事と家庭を両立したいですね(笑)。私の両親は奈良にいて、離れて暮らしているので。

 実際に今、「東京かあさん」を利用いただいている“お子さん”は、私のように親元を離れて首都圏で仕事や結婚をしている30~40代の子育て家庭が7割。そうした利用者の方に「お料理がおいしかったです」などと言われるとうれしくなります。“お母さん”と“お子さん”のどちらにも喜んでもらえるので、すごくやりがいがあります。

 最近は“老害”なんていう言葉が取り沙汰されていますが、寂しさとか社会と関わりたい気持ちが根本にあるのではないかと思います。シニアの方の孤独感をなくすことができたら、違ってくるのかもしれません。

 シニアの方々は60~70代でもとてもアクティブで元気なんです。私はそうした“お母さん“と日々、お仕事を通して触れ合いながら学ばせていただいています。いずれは男性シニアの就労支援も手がけて、シニアの男性も女性も、定年後まで現役で生き生きできる“ぴんぴんころり”の世の中を作っていきたいなあ、と思っています。

◇小日向えり(こひなた・えり)
1988年1月17日、奈良県北葛城郡生まれ。中学時代からモデルに憧れ、高校1年生の時にスカウトで芸能界入り。横浜国立大学教養人間科学部1年在学中に“歴史アイドル(歴ドル)”としての活動を始め、「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」(テレビ朝日系)などのクイズ番組や「日本最強の城」シリーズ(NHK)などの歴史エンターテインメント番組、NHK高校講座「世界史」「日本史」などの司会で活躍。2017年、「株式会社ぴんぴんころり」を設立。20年5月に芸能界を引退し、現在はビジネスに専念している。

(中野 裕子)