暮らし

おさげ髪&スニーカー姿も 米アカデミー賞を彩った女性陣のファッション

著者:関口 裕子

タグ:

今年の授賞式会場は2か所。米ロザンゼルスのダウンタウンに位置するユニオン駅も会場に【写真:Getty Images】
今年の授賞式会場は2か所。米ロザンゼルスのダウンタウンに位置するユニオン駅も会場に【写真:Getty Images】

 日本時間4月26日午前、米ロサンゼルスのユニオン駅で開催された第93回アカデミー賞。今年は開催自体が危ぶまれましたが、ノミネート条件の特例変更やオンライン中継などの導入で無事に開催となりました。日本では『ノマドランド』の作品賞受賞が大きな話題となりましたが、授賞式自体にもさまざまなトピックスがあったようです。今回は、出席した女性映画人の姿を通じて、その全貌を垣間見てみましょう。映画ジャーナリストの関口裕子さんに解説していただきました。

 ◇ ◇ ◇

若者への注意喚起にも一役買ったゼンテイヤ

 米アカデミー賞へのノミネートには、米ロサンゼルスで連続7日以上連続興行(上映)を行い、劇場公開前に配信やビデオ発売を行ってはいけないなど、さまざまな条件があります。そのため、コロナ禍で約1年間にわたって映画館が閉館し、多くの作品がオンライン配信を“初公開”とせざるを得なかった米国では、賞の開催を危ぶむ声がありました。

 結局、今年に限り配信作品も対象としたため、無事開催に至ったわけですが、さまざまな波乱もあり、映画界の転換期を予見するような興味深いイベントになりました。まずは授賞式に参加した女性のファッションを通じて、その側面をお伝えしたいと思います。授賞式といえば“エレガントで豪華”のイメージが圧倒的ですが、今年は才能ある女性映画人が個性を生かしたコーディネートを披露してくれました。

プレゼンターとして登場した24歳のゼンデイヤ(c)Matt Sayles / A.M.P.A.S.
プレゼンターとして登場した24歳のゼンデイヤ(c)Matt Sayles / A.M.P.A.S.

 まずはドレスが話題となった方々から。プレゼンターとして登場した24歳のゼンデイヤは、ディズニーチャンネルのティーン・スター出身で、若者のインフルエンサー的存在です。今年はピーター・パーカー(スパイダーマン)のクラスメイト、MJを演じる『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(原題)』が公開予定。

 そんな彼女の授賞式ファッションは、カナリアイエローが印象的な「ヴァレンティノ」のオートクチュールドレスと、「ブルガリ」のジュエリー。ダイヤモンドを用いたこのジュエリーは、日本円にすると6億4千万円強だとか。

 しかし何と言っても、それ以上に話題を呼んだのはマスク。授賞式中も登場する直前までドレスとコーディネートされた黄色のマスクを着用していた姿は、若者に対する注意喚起となったようです。

本命の声も高かったキャリー・マリガンはゴールドのドレスで

 続いて、『プロミシング・ヤング・ウーマン』(7月16日日本公開予定)で主演女優賞にノミネートされたキャリー・マリガン。下馬評では本命の声も高く、気合の入った「ヴァレンティノ」のマッチングスカート(ボールガウンタイプのスカート)とクロップドトップのドレスで授賞式に臨みました。

下馬評では本命の声も高かったキャリー・マリガン(c)Matt Petit / A.M.P.A.S.
下馬評では本命の声も高かったキャリー・マリガン(c)Matt Petit / A.M.P.A.S.

 同作は、医科大学を中退してカフェの店員として働く30歳を目前にした女性が、自分を弄ぼうとする男性たちや同調圧力をかけてくる女性たちに鉄槌を下す物語。『17歳の肖像』(2009)で才能を開花させたキャリーの真骨頂を見ることができる作品です。

 残念ながら、キャリー・マリガンの受賞は未来へと持ち越されましたが、本作の監督で脚本家の(ネットフリックスドラマ『ザ・クラウン』などに出演する女優でもある)エメラルド・フェンネルに脚本賞が贈られました。2人によると「すべての女性が少なからず経験したことのある無念を映画にしたかった」とのこと。日本公開後、話題になりそうな作品ですね。

第2子妊娠中のエメラルド・フェンネル(c)Matt Petit / A.M.P.A.S.
第2子妊娠中のエメラルド・フェンネル(c)Matt Petit / A.M.P.A.S.

 エメラルド・フェンネルは、春を感じさせるグリーンとピンクが印象的な「グッチ」のガウンで登場。妊娠中に本作を撮影し、現在も第2子を妊娠中です。受賞のスピーチでは、撮影が終了するまで“産まれてくるのを待ってくれた息子”に感謝を述べていました。