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小学生の息子が加害者に!? 高齢者とあわや衝突 自転車保険加入を考えた瞬間

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

保険が義務化されたことを知らない・分からない人は40%

 損害保険ジャパン株式会社は2021年の1月26日~3月30日、10代以上の自転車利用者4万7090人を対象に調査を実施。その結果、居住地の自治体が自転車保険の加入を義務化(努力化)していることを「知らない、分からない」と答えた人が40%以上もいることが分かりました。

 それもそのはず。公益財団法人交通事故総合分析センターによると、平成29年の自転車事故における第1当事者(最初に交通事故に関与した車両などの運転者、または歩行者のうち当該交通事故における過失が重い者。また過失が同程度の場合には、人身損傷程度が軽い者)は多くが7歳~19歳の子どもや未成年者たち。全体の38%を占めており、中でも16~19歳の事故が目立っています。保険加入の義務はもちろん、保険の存在自体を認識していない世代だと言えるでしょう。

 平成25年には、当時11歳の小学生が自転車で62歳の女性と正面衝突。女性の意識が戻らない状態になったため、裁判所は小学生の母親に対し9500万円を超える賠償金の支払いを命じました。

 ちなみに、破産法で「故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」は免責対象となりません。たとえ自己破産しようとも、過失の内容によっては多額の負債が消えず、一生をかけて償うことになります。こうしたことからニーズが高まり、自転車保険を義務化する自治体が増えているのです。

条例が施行されている自治体にお住まいの方は必ず加入を!

2021年4月1日時点で自転車保険加入義務、または努力義務条例を公布している全国の自治体【出典:損害保険ジャパン株式会社】
2021年4月1日時点で自転車保険加入義務、または努力義務条例を公布している全国の自治体【出典:損害保険ジャパン株式会社】

 2021年4月1日時点で「自転車保険の加入義務条例」と「加入努力義務条例」を公布している地方自治体は以下となります。

【自転車保険の加入義務条例】
山形県、宮城県、群馬県、埼玉県、東京都、山梨県、神奈川県、長野県、静岡県、愛知県、滋賀県、三重県、京都府、奈良県、大阪府、兵庫県、愛媛県、福岡県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、千葉市、岡山市

【自転車保険の加入努力義務条例】
北海道、青森県、茨城県、千葉県、富山県、和歌山県、鳥取県、香川県、徳島県、高知県

 該当地域にお住まいの方は、今すぐにでも加入のご検討を。また、損害保険に加入されている方は、自転車事故をカバーしているかどうかを確認しましょう。カバーされていた場合は、いざという時の補償額を確認しておくと安心です。

 もちろん、保険に入ったからと安心するのではなく、自転車に乗る際は平成19年に警察庁交通対策本部が決定した「自転車安全利用五則」を守ることも忘れずに。

【自転車安全利用五則】
1.自転車は車道が原則。歩道は例外
2.車道は左側を通行
3.歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4.安全ルールを守る
 ●飲酒運転・二人乗り・並進の禁止
 ●夜間はライトを点灯
 ●交差点での信号遵守と一時停止・安全確認
5.子どもはヘルメットを着用

 増加している自転車乗車中の死亡事故。自分や家族を守り、見知らぬ人を傷付けることがないように、自転車保険への加入と合わせて安全運転を心がけましょう。

(和栗 恵)