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暴言客や「驚くほど話を聞かない」高齢者 悪質“カスハラ”の実態

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

コロナ禍でコミュ力低下? ドラッグストアに現れたクレーマー

 都内のドラッグストアで働く今日子さん(仮名・34歳)は、コロナ禍に入ってから「カスタマーハラスメントを行うお客さんが急増した」と実感しているといいます。

「2020年の夏くらいまでは、マスクを着けずに来店するお客さんが多かったですね。そういう人は注意を促すと逆ギレ状態で、ひどい人はわざと棚に腕をぶつけ、物を落としていくこともありました。『こっちは客だぞ!』なんてセリフを口にする人もいて、『客なら何をしてもいいと思っている人って本当にいるんだね~』と、従業員一同で苦笑したこともあります」

 そうした中で一番厄介だったのは「話を聞かない」高齢者でした。

「コロナ禍以前からそうしたお客様は見受けられたのですが、コロナ禍の自粛生活で、コミュニケーション能力が下がっているのか……。驚くほど話を聞かない人が増えました」

 マスクの品薄状態が続いていた昨年5月、国産のマスクを求めて頻繁に来店しては、入荷が未定であることを伝えると「いつ入るんだ!」と怒鳴り、「なぜ仕入れないんだ!」と繰り返し聞いてきたという男性。

 また、明らかに他の処方箋薬局で購入した花粉症の薬を持ってきて、何度も何度も「かかりつけ医に相談してください」と言っても聞かず、「この店で売っている薬はまったく効かない!」と苦情を入れてきた女性。

 そして、商品を開けようとしていたので、やんわりと試供品ではないことを注意すると「コロナ禍で他人が使ったテスターなんて怖くて使えない!」と、大声で店長を呼ぼうとする女性。

 いずれも高齢者だったそう。また、他にも細々としたクレームを入れると、1日に5~10人は、いわゆるカスハラ客が訪れるようになっていると、今日子さんはため息交じりに語ってくれました。

 知らぬうちに「クレーマー」になっていることのないように、自らの行いを常に省みることができる人間でありたいものですね。

(和栗 恵)