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【私の家族】朝ドラ「ふたりっ子」の菊池麻衣子 反抗期の娘との仲を取り持つ大型犬がいる日常

公開日:  /  更新日:

著者:中野 裕子

先代犬は保護犬 条件の多さに苦労したことも…

話に耳を傾けるお利口さんな三太くん【写真:荒川祐史】
話に耳を傾けるお利口さんな三太くん【写真:荒川祐史】

 ダイちゃんのおかげで、ラッちゃんもよく食べるようになったんですけど、ダイちゃんは定期健診で心臓に雑音が聞こえ、股関節が形成不全だと言われてしまって……。ペットショップに伝えたら「お取り替えしましょうか」と言われ、「まるで電気製品か何かみたい」と感じてしまいました。

 その感覚になじめなくて、ダイちゃんはそのまま我が家で一緒に暮らし続けました。ラッちゃんは17、18歳まで長生きましたが、ダイちゃんは結局、11歳の時にがんで亡くなりました。

 ダイちゃんが亡くなった後、「やっぱりペットショップで購入するより、困っているワンちゃんを引き取りたいな」と思って探していました。そして、ダイちゃんと同じぐらいの年齢で顔かたちもそっくりなラブラドールの里親を探している方と出会い、ムサシくんを引き取ったんです。

 ムサシくんは前の飼い主さんがお亡くなりになったため、保護されていました。ただ、譲渡って大変。ウチは私の母と娘と3人暮らしだったんですけど、子どもが幼すぎる、高齢者はダメ……といろいろ条件があるんです。1人暮らしの人は、自分が飼えなくなった時に面倒をみてくれる保証人をたてなくてはいけない、とか。

「誰かに保証人になってもらってまで、飼いたい気持ちを押し通すのもどうなのだろう」と気が引けたのですが、お預かりをしていた方が保証人になってくださって、何とかムサシくんを迎えることができました。

 また、お迎えにあたっても、二重ゲートにして家から逃走しないようにしないといけなかったり、やっぱりルールがいろいろあって時間もかかるんですよね。このため、ムサシくんが13歳で亡くなった時は、結局ブリーダーさんから三太くんを迎え入れてしまいました。本当は飼い主のいない犬を保護してあげたいんですけどね。

三太くんは大切な家族 反抗期の娘との仲裁役に

三太くんは「ペットというより家族」【写真:荒川祐史】
三太くんは「ペットというより家族」【写真:荒川祐史】

 最初の犬のラッちゃんを迎えた20代前半、犬を飼うならちゃんとした知識で飼ってあげたいなと思い、勉強して愛玩動物飼養管理士1級の資格を取りました。“犬は群れで生きていく動物”という習性をもとにしたしつけの必要性やトレーニング方法について学び、本当の意味での犬の幸せを考えられるようになりました。

 犬を複数頭飼う場合は必ず先住犬からエサをあげて、順番を守ってあげたほうが犬も嫉妬しなくていいといったことは、私もラッちゃんとダイちゃんを一緒に飼っていたので、ちゃんと学んで良かった、役に立ったなと思います。

 しつけの方法も学びました。今、一緒に暮らしている三太は手ごわくてうまくいきませんが(笑)、三太に助けられている部分もたくさんあります。

 例えば、反抗期真っ盛りの娘とケンカすると、三太が仲裁に入ってくれます。私と娘のどちらかに肩入れするのではなく、その時で優勢な方をなだめにいくんです。犬も人間と同じで、状況を見て感じたり考えたりしているんだなあと思います。

 ほんと、三太はペットというより家族。娘を朝、起こしてくれることも助かりますね。私が「起きなさい!」と言うより、三太が娘のベッドにドーンと乗っかってなめて起こすと、起きるしかなくなりますから!(笑)

◇菊池麻衣子(きくち・まいこ)
1974年7月19日、板橋区生まれ。慶應義塾高等学校在学中、映画のオーディションを受けて芸能界入り。高学歴で注目され、慶應義塾大学商学部1年の93年、教育クイズ・バラエティ番組「たけし・逸見の平成教育委員会」(フジテレビ系)のレギュラーに。96~97年にはNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」で双子の姉・麗子役で主演を務め、人気と知名度が急上昇した。その後も大河ドラマ「葵~徳川三代~」(NHK)や「お金がない!」(フジテレビ系)などで女優として活躍。プライベートではシングルマザーとして長女を育てながら、芸能活動を続けている。

(中野 裕子)