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【私の家族】俳優・川上麻衣子 愛猫たちから学んだ55歳の死生観 年間300匹の猫と里親を結び付ける保護猫活動も

公開日:  /  更新日:

著者:中野 裕子

猫たちに感謝 「死生観、人生観も形作られた」

預かり猫のお世話もお手のもの。頼れる“イクメン”のタックくん【写真:山口比佐夫】
預かり猫のお世話もお手のもの。頼れる“イクメン”のタックくん【写真:山口比佐夫】

 今、一緒に暮らしているのは2匹。女の子の「ココロ」(6歳)と男の子の「タック」(4歳)で、どちらも元は保護猫です。他に、昨年春の緊急事態宣言時は、保護猫の3きょうだいを1か月余り預かっていました。どうせずっと家にいるのでね。

 おかげでにぎやかで、やることもあって良かったです。ココロは子猫に嫉妬していましたが、タックは毛づくろいしてあげたり怪我をしないように見守ったり、よく面倒を見てくれました。“イクメン”ですね(笑)。その優しい姿を見ているだけで癒やされました。

 昨年11月、私は出張先の大阪で新型コロナに罹患し、予定より長い10日間、現地で隔離生活を送りました。自分の体や感染させてしまったかもしれない人たちのことが心配でしたが、コロナ対策をしながらココロとタックの面倒を見てくれる人も、急いで探さなければなりませんでした。

 窮地を救ってくれたのが「しあわせにゃんこ」の方。普段から猫のウイルス対策をしていて、除菌の知識や防護服をお持ちだったので、コロナ対応も可能だったのです。こんな風に助けていただくことになるなんて思ってもいませんでしたが、「助け合える仲間がいることはとても大事だな」と改めて思いました。

 振り返ると、猫たちとの出逢いから猫好きの人たちとつながって、それが広がり今の私があるんですね。猫たちのおかげで、死生観や人生観も形作られました。私も50代半ばとなり、私自身や両親の命、老い方、逝き方を考えるようにも。考えるきっかけをくれた猫たちに、また感謝です。

◇川上麻衣子(かわかみ・まいこ)
1966年2月5日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。1歳で帰国後、9歳から再びスウェーデンで約1年間暮らす。80年に「ドラマ人間模様 絆」(NHK)でデビュー。また「3年B組金八先生」第2シリーズ(TBS系)で優等生役を好演し人気を集めた。96年に映画『でべそ』で第6回日本映画プロフェッショナル大賞の主演女優賞を受賞した一方、バラエティ番組「志村X」「変なおじさんTV」(フジテレビ系)ではコントを演じて好評を得た。2018年に「一般社団法人ねこと今日」設立。2021年6月5日と6日には、獣医師や動物行動学のライターを講師に迎えて「第2回川上麻衣子キャットアカデミー」をオンラインで開催する。

(中野 裕子)