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蚊を自然の力で撃退 ナチュラリストが感銘を受けた米ワシントン州の循環型生活

著者:小田島 勢子

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バクテリアの力で蚊やコバエを撃退

水が豊富なワシントンで空いっぱいに広がる桜【写真:小田島勢子】
水が豊富なワシントンで空いっぱいに広がる桜【写真:小田島勢子】

 また、ワシントンは水が豊富な州で、夏になると蚊の大量発生が話題に。近年、ロサンゼルスでも気候の変化に伴って、数年前にはなかった蚊の対策が必要になってきたことを話すと、ある商品を見せてくれました。

 材料を見るとセルロース(繊維)と微生物(BT菌)の塊。ドーナツのような形のその物体を、水を張ったバケツやコイの池、動物の水場などに入れると効果を発揮します。

 BT菌とは「昆虫病原性細菌/Bacillus thuringiensis」の総称で、多数の亜流が存在しているそうです。人間や動物、魚が飲んだり、他の植物が浴びたりしても、悪い影響を与えることはありません。

 友人が使っていた薬剤の場合は、亜流それぞれが産出する殺虫性タンパク質により、蚊や吸血コバエなどの幼虫(ボウフラ)に効くものだそう。実際に使った効果はてきめん。成虫には効きませんが、次世代を減らす効果があります。

 BT剤にはいろいろな菌を用いた種類があり、日本でも農業で害虫となってしまう種類のガを駆除するための農薬(薬ではないのですが)として売られています。米国でも日本でもオーガニック、有機栽培指定の作物に使うことができる自然界の菌を使ったものなので、殺虫剤よりもずっと安全に使うことができるのではと期待しています。

 旅に出ると毎回、滞在中にたくさんの遊びと学びがあります。それぞれの土地で培ったアイデアや経験を、これからも多くの価値観の人とシェアしていきたいと思います。

(小田島 勢子)

小田島 勢子(おだしま・せいこ)

ナチュラリスト。結婚を機に2004年に南カリフォルニア州へ移住し、3人の女の子を米国で出産。ロサンゼルスの片田舎でバックヤードに鶏たちと豚のスイ、犬のトウフとともに自然に囲まれた生活を送る。母になったことをきっかけに食や環境の大切さを改めて感じ、できることからコツコツと、手作り調味料や発酵食品、スーパーフードやリビングフードを取り入れた食生活をメインに、食べるものは「できるだけ子どもと一緒に作る」「残さない」がモットー。15年に「RUSTIC」を設立。日本で取得した調理師の知識や経験を生かして食のアドバイザー、ライフスタイルのコーディネーターとして活動。日米プロスポーツ選手やアクション映画俳優の身体作りのアドバイザー、味噌、お酢、漬物など発酵食品作りの講師、創作料理のケータリングなど幅広い分野で活躍。
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