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仕事・人生

遺影の写真が…認知症の父を送ったアラフィフ娘 生前にやっておくべきと思ったこと3つ

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

餅は餅屋 葬儀会社に頼んで本当に良かった

 続いては葬儀について。自治体が運営する公営斎場であれば基本的に無料または安価な金額で利用できるので、葬儀にかかる金額は減らそうと思えばいくらでも減らすことができます。

 しかし、死亡届を出したり、火葬場の手配をしたり、骨壺の用意をしたり、家に位牌や遺骨を並べる台を用意したりと、やらなければならないことがたくさんあるので、そうした諸々をすべて引き受けてくれる葬儀会社の存在は、決して侮れないものだと知りました。

 また高齢者が増えている現代では、火葬してもらうまでに思った以上に時間がかかります。父の場合も、火葬場が空くまで何と1週間。3月4月の時点では2週間待ちだったとのことで「これでもマシになった方なんですよ」と葬儀社の方から聞き愕然としました。

 通常は遺体を自宅に安置し、ドライアイスを毎日取り換えながら過ごすことになるのですが、1週間となるとなかなか厳しいもの。葬儀会社の手配により遺体専用の冷蔵庫で保存してもらうことができたので一安心だったのですが、梅雨時期に家の中で……と、想像しただけで冷や汗ものです。

 今回我が家が手配したのは地元の葬儀社だったのですが、トータル40万円弱という最低限の料金で、病院からの引き取り、斎場とのやりとり、遺体の冷蔵保存(ドライアイスの手配含む)、斎場での葬儀、花の手配、斎場への遺体の送り、お坊さんの手配、自宅での簡易祭壇の設置、仏具一式の用意など、葬儀に必要なことをすべて整えてくれました。

 これには、家族揃ってびっくり。葬儀社のおかげですべてがスムーズに運び、私たち家族は純粋に父の死を悲しむことに集中できたので、感謝しかありません。

「まだ元気なのに、死んだ時のことを考えるなんて!」

 そう思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、まだ元気なうちだからこそ、死んでから後悔せずに済むようさまざまなことを用意しておかなければならないのです。

 お見舞いに行ったら、必ず写真を撮影する。

 記憶がしっかりしているうちに、スマホのパスワードを聞き出す。

 そして、最期の瞬間に会いたい人の名前を聞いておく――。

「後でもいいや」などと思わずに、ぜひこの3つだけはしておいてください。

(和栗 恵)