Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

仕事・人生

遺影の写真が…認知症の父を送ったアラフィフ娘 生前にやっておくべきと思ったこと3つ

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

遺影用の写真がない! 年を取ると撮影する機会が激減

 さて。いざ、父の死と対面することになって、最も苦労したのは「遺影」の手配でした。父の部屋をひっくり返すように探し回ったものの、最近の写真が1枚もなかったのです。

 最も新しいものでも1990年代。年を取ると、自分の写真ってあまり撮らなくなるんですよね。見つかるのは景色や仲間の写真ばかりでした。幼い姪を抱っこしてにこやかに微笑む写真が2枚ほど見つかり、「かなり若いけれどこれで何とかするしかないかも……」と、母や兄と落としどころを探す始末。

 結局、父の遺体を引き取りに病院へ伺った際、病棟内で撮影した写真を何枚かいただくことができ、結果的にはその写真を使うことになりました。それでも、お見舞いの時に1枚でもいいから父を写真に収めておけば良かったと反省しています。

どこまで知らせる? スマホのパスワードがネックに

 また、家族間で議論になったのは「父の死をどこまで知らせるか」という点。ゴルフ好きだった父には仲間が数人いたので、兄は「その人たちには知らせたい」と望んだのですが、残念ながら私たちは連絡先をまったく知りませんでした。

 父のスマホを見れば……と思ったのですが、スマホを解除するパスワードが分からなかったため、アドレス帳を見ることは叶わず。他にガラケーを持っていたはずですが、こちらも同様。もっと初期の段階で、スマホや携帯電話のパスワードは聞いておくべきだったとこれまた反省しました。

 結局、葬儀は身内だけで行うことになりましたが、こうしたことは「何かあってからでは遅い」のだと身をもって知りました。もしかしたら父にも、最期の最期に会いたかった人がいたかもしれない。そう思うと、やるせない気持ちが残りましたが……。まぁとはいえ、何もできなかったんですけどね。パスワード、大切です! 本当に!!

 それから、死亡保険などのやりとりが思った以上にスムーズだったことは驚きでした。慣れていらっしゃるのでしょう。認知症の父は、保険証書などを一切失くしてしまっていたのですが、保険会社に電話連絡を入れると、その後はほとんどが書類のやりとりだけで済み、保険金も速やかに支払われました。

 逆に大変だったのは公的手続きを行う場合で、父の死亡を伝えるために年金事務所に出向いたり、市役所に出向いたり。今さらながらに「マイナンバーカード」が何の役にも立っていないことを思い知らされました。