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「生理でもできるでしょ?」タレントに男性マネが一言 芸能事務所が“変えたい意識”とは
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女性タレントを担当する男性マネージャーの意識改革に!
サイトオープンから約3か月。社内での反響を尋ねてみると「担当の私に向かって直接『自分は関係ない』とは言えないと思いますけど(笑)。ちょっと意識が変わったのかなという雰囲気は感じますね」と杉野さんは答えます。
「男性マネージャーの意識レベルの違いは、女性タレントの信頼度に大きく影響するんですよね。常に生理用品を携帯して、担当タレントが生理になったらすぐに差し出せるようなケアができるタイプと、『生理になっちゃったの? ヤバイね』で終わってしまうタイプ。信頼度に差が出てしまうのは当たり前ですが、理解しているマネージャーは対タレント以外の面でもすごく強い」
「全員がそうなればいいな」と思っている杉野さんですが、やはりまだ難しい部分があるそうです。
「でも今回『フェムテックtv』を立ち上げて、『自分の会社がこんなことを始めたんだ』と多少なりとも意識改革につながったのかなと感じています。『あのサイトって何?』『どういうことなの?』と聞かれることもありますし。『エンタメ界のメンズたちにも届け!』という気持ちです」
インスタグラムのフォロワーは約20%が男性
男性向けの記事も徐々に増やしており、「フェムテックtv」が開設したインスタグラムアカウントのフォロワーは男性が約20%。同サイトの運営以外にもマーケティングチームに所属している杉野さんは、社外の男性からの反響も肌で感じているといいます。
「クライアントには40~50代の男性も多いのですが、ストレートに生理やPMS関連の話をしても『申し訳ないけど、僕には分からないから』と言われてしまう。でも、同僚や奥様の気分が落ち込んでいて悩んでいらっしゃる方に『女性の機嫌が悪い理由を知りたくありませんか?』という話から、『ちょっとだけ情報に触れてみてください』と、お話しするようにしたら『そんなに大変だったんだ! 知らなかった』と言われることが多くなりましたね」
「機嫌が悪いのはPMSのイライラだったんだと腑に落ちた」「PMSだからしょうがないという気持ちになれたのは大きい」という声もあったそうです。
「知ることで感覚が変わるんだという実感がありますね。今後、女性はもちろん、男性に向けたアプローチももっと増やしていけたらと思います」
最も人気が高い記事はセクシャルウェルネス関連
主な話題として、生理、PMS、フェムテック、女性ホルモンなどのコンテンツが並ぶ「フェムテックtv」。その中で最も人気が高いのは、セクシャルウェルネスの関連記事だそうです。全体アクセスの半数を超えることもあるそうで、片山さんからは「予想外の結果」という言葉も飛び出しました。
「当初は、PMSや体の不調に基づくものが人気かなと思っていたので、『セルフプレジャー(マスターベーション)』などのセクシャルウェルネス記事がよく読まれたことは驚きでした。私たちもアクセス数のデータを見て、需要の高まりに気付きました。まだあまり情報がない、ということもありますが、表には出しにくいテーマなので『知りたい』と思っている方がたくさんいらしたようですね」
今後は独自アンケートを集計した記事も予定しているそう。そこにも運営側が予想していなかった結果が出ていたといいます。
後編では、そのアンケート集計結果やアクセス分析などの傾向から改めて感じたことや、女性のワークライフバランスなどについてお聞きします。
(yoshimi)