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仕事・人生

【私の家族】假屋崎省吾 20年連れ添った元保護猫が昨年死去 5匹の愛犬のため鎌倉移住を決意

公開日:  /  更新日:

著者:中野 裕子

捨て猫だったプリとリラ

20年連れ添ったプリとリラの写真も大切に飾り続けている【写真:山口比佐夫】
20年連れ添ったプリとリラの写真も大切に飾り続けている【写真:山口比佐夫】

 元々は猫派でした。20歳の頃、父が埼玉・所沢に建売住宅を買って住み始めたとたん、裏の雑木林から白い猫が現れたんです。それで、鰹節をあげたら次の日も、その次の日もやって来たので、「うちの子になるかい?」と聞いたら「ニャア」という返事。それで、我が家の猫になりました。

 両親もすっかり魅了され、とてもかわいがっていたのですが、この猫の「ピーちゃん」が来て約1年後に父が亡くなり、それと同じくして仕事が忙しくなっていった私に代わり、ピーちゃんが母をずっとそばで見守ってくれました。

 10年経って母が亡くなり私の世田谷区・北沢の家に引き取ると、その1年後の母の命日に、“お役目を果たした”というように老衰で亡くなりました。それはもう悲しく、「ありがとう」という気持ちで、しばらくは猫と暮らす気になれませんでしたね。

 でも、ちょうどテレビに出始めた頃、友人の家の前に猫が5匹捨てられていると知らされ、そのうちの2匹を我が家に招き入れました。それがプリとリラでした。シャムと日本猫のミックスだったようです。凛として品格があって、瞳はブルー。仕草もエレガントで美しかった。呼べば反応してくれたし、私、猫の抱き心地がたまらなく好きなんです。

 プリとリラは表参道の家を自由に動き回っていたんですけど、2011年にハンスを引き取ったら、プリとリラは怯えちゃって。相性が悪かったんですね。プリとリラがかわいそうだから、地下2階、地上3階の家を新築して、3階の南向きのお部屋をプリとリラ専用にし、ハンスは1階をテリトリーにしたんです。空調管理の行き届いた部屋でずっと暮らしていたので、プリとリラは長生きしたのかもしれませんね。

保護犬を迎えたのがきっかけで愛犬家に

愛犬に似た犬柄のクッションを見るとつい買ってしまうそう【写真:山口比佐夫】
愛犬に似た犬柄のクッションを見るとつい買ってしまうそう【写真:山口比佐夫】

 ハンスに出会ってからはわんこの魅力にどんどんハマッて、わんこがどんどん増えていきました。最初にハンスを迎えたのは、私の家族が犬好きだったから。

 ハンスは公園に捨てられ殺処分寸前だったところを保護された保護犬だったんです。お利口さんで、顔つきもかわいくて、好奇心旺盛。その後に引き取ったルルもペットショップで売れ残って捨てられていた犬でした。引き取った頃はおどおどしていましたが、今やすっかりのびのび、天真爛漫(笑)。

 犬語が話せたら、「うちに来て良かったか」と聞いてみたいです(笑)。今、コロナ禍で飼ったはいいけど面倒を見切れなくて捨てちゃう人も増えているとか。縁あって家族になったのだから、最期まで愛情をたっぷり降り注いで、いっぱい思い出作りをしてほしいですね。