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仕事・人生

【私の家族】假屋崎省吾 20年連れ添った元保護猫が昨年死去 5匹の愛犬のため鎌倉移住を決意

公開日:  /  更新日:

著者:中野 裕子

犬たちのために鎌倉へ移住を決意

2月にお迎えしたレオンベルガーのレオン。現在、体重は60キロ【写真:山口比佐夫】
2月にお迎えしたレオンベルガーのレオン。現在、体重は60キロ【写真:山口比佐夫】

 私は仕事でほとんど家にいられないので、日頃のお世話は同居の家族が中心。でも、最後まで我が家でお世話してあげたい。実は、ハンスが3年前にがんの宣告を受けてしまったんです。でも、抗がん剤の投与や手術など延命のための治療はせず、自然に任せる選択をしました。奇跡的にまだ元気に生きているんですよ。

 目は見えず、耳も聞こえなくなり、後ろ足も立たなくなってしまいましたけれど。だから、散歩はカートに入れて連れて行ってあげるんです。目や耳がきかなくても、外の空気を感じるんでしょうね。気持ち良さそうにしています。

 猫のために表参道に家を買いましたが、今度は犬のために鎌倉に家を買ってしまいました。昨年、プリとリラが亡くなり、この2月にブリーダーの勧めでレオンを迎えたのをきっかけに、4月に引っ越しました。

 レオンはドイツの大型犬で、今はまだ60キロ弱ですが、成犬になると80キロになるんです。まだ子どもだし、都会の階段の多いお家じゃかわいそう。やっぱり外を自由に走らせてあげたい。

 その点、鎌倉の家は平屋で敷地が1000坪以上あって、庭には小川が流れタヌキも出るような自然がいっぱいなので、レオンも大いに遊べるんじゃないかと思っています。レオンは暑がりなので、家の中の温度は18度をキープ。私にはちょっと寒いんですけど、我が家はワンチャンファーストなんです(笑)。

自然と触れ合い四季を感じる生活

 私自身も62歳になり、便利でオシャレで、おいしい物があふれている表参道もいいけれど、自然の中で暮らしたい気持ちが強くなりました。これまで仕事に夢中になって生きてきましたが、私は他にもやりたいことがたくさんあります。

 例えば、ワンコともっと戯れたいし、園芸ももっとやりたい。ピアノも弾いて、コンサートも楽しんで、料理もして、大好きなお寺巡りもしたい。鎌倉に引っ越してまだ3か月ほどですが、朝は太陽の光で早く目覚めるようになりました。本当に気持ちがいい。生きていく上で、生活環境が精神衛生上いかに大切か、実感しています。鎌倉は海も見えるし、富士山も見える。都会の暮らしと全然違いますね。

 これから家の中を整え、庭に大好きな紅葉や桜など四季折々の植物を植えて、少しずつ自分らしい住まいにしていくのが楽しみです。仕事で東京などへ出ると、以前より帰りが遅くなりますが、それぐらいどうということはないほど鎌倉は魅力的。

 それに、疲れて家に帰ってクタクタになっても、 “家族”にシッポを振って迎えてもらうと疲れも吹っ飛びます。レオンは「大丈夫?」という顔で見つめてくれたりもして。「この子たちのためにますます頑張らないと!」と思いますね(笑)。

◇假屋崎省吾(かりやざき・しょうご)
1958年12月17日、練馬区生まれ。Kariyazaki Flower Professional Education School主宰。日本初の“華道家”として世界各地で日本の伝統文化・華道を広める活動に精励。クリントン米大統領来日、天皇陛下御在位10年記念式典の花装飾、花博覧会のプロデュースなどを手掛ける。女子美術大学・客員教授、フランス観光親善大使、オランダチューリップ大使などを務め、シンビジウムの生花を使った「世界で最も多いコサージュ展示」の世界ギネス記録に認定されている。ライフワークでもある花と建物のコラボレートとなる個展“歴史的建築物に挑む”を開催、世界各国で個展やデモンストレーションを開催。その他、花を通した心の情操教育が期待される「花育」や「少子化問題」「伝統工芸品の振興促進」などの地域活性を促す社会ボランティア活動も積極的に取り組んでいる。

(中野 裕子)