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メーガン妃が「最も望まない本」の前哨戦か 執筆中の作家が痛烈な内容のコラム発表

公開日:  /  更新日:

著者:森 昌利

王室入り後のメーガン妃は「決して振り返らなかった」

 第2章のタイトルは「富と名声」。それは文字通り、妃が王子との結婚で手に入れたものだ。バウワー氏は、王子が「すべての面で自身が気に入るような正しい振る舞いをした」妃にすぐ夢中になったと記している。そして、本物のプリンセスになるという長年の望みを叶えた妃は「決して過去を振り返らなかった」とし、大勢の人間が必要ではなくなっていったことを示唆した。

 一方で2017年11月、婚約発表時のBBCインタビューには“王室引退”の兆しが早くも現れていたという。同氏はこの時に妃が「この結婚で私自身、そして私の意見が変わるようなことはありません」と発言したことに注目。英王室の歴史や伝統には染まらず、自分流を貫く。そんな妃の意思表示だったとも指摘する。

 王室に嫁ぎ、その貴族性や華やかさ、王室の権威は大いに妃を楽しませた。トラブルを避けるため、エリザベス女王は知的で経験豊富、思いやりのあるスタッフをつけたという。しかしその配慮は徒労に終わり、また妃はウイリアム王子とキャサリン妃の“下”に格付けされることが我慢できなかった。

 同氏はメーガン妃に関する「わがまま放題」「かんしゃく持ち」「いじめ疑惑」の話と、王室の義務を果たしたがらなかったという話は「一致する」と指摘。さらには環境保全を訴えながらプライベートジェットの多用を批判されると「人種差別」を訴え、話題をすり替えたとしている。

妃が目指すものとは「米国を制し、世界を制すること」

 そして第3章「特権のバイブル」と第4章「グリース・ポール」では、40歳を迎えた妃が今後目指す方向性を予測。バウワー氏はこの章での書き出しで「遅くとも結婚後半年で英国離脱の計画は芽生えていたと心から信じている」と綴り、“王室引退”の青写真が2018年中にできていたと指摘する。

 そして、ヘンリー王子も“王室引退”に賛成。その後は、2人揃って王室スタッフに対し“激怒の抗議”とも言える攻撃を開始した。またPRや弁護士を通じて英国メディアの人種差別主義を訴えると、3月に放送されたインタビューでさらなる暴露と王室批判を繰り出し、自らの正当性をアピールしたと、同氏の見たこれまでが淡々と綴られている。

 こうした自己正当化の後、妃は何を目指すのか。同氏はそれを「米国を制し、世界を制することだ」と断言する。

 政界への転身は英国をはじめ世界のメディアも推測しているが、ここまできっぱりと予測したのは同氏が初めてかもしれない。しかも、その動きはヘンリー王子の回顧録出版後に加速するとも予言している。

 さらには米民主党の地盤であるカリフォルニアには現在上院議席が2席あるが、空席ができ次第、妃が「候補になる可能性がある」と具体的な展開も推測した。またカリフォルニア州知事選に出馬する可能性もあるという。

 こうした具体的な指摘も、2003年にはアーノルド・シュワルツェネッガー氏が同州知事に、1981年にはロナルド・レーガン氏が同州知事を経て米大統領に選出された“ハリウッドに弱い”「カリフォルニアの強い伝統」があるからだという。そして妃が現在の副大統領であるカマラ・ハリス氏、そして元米大統領バラク・オバマ氏との人脈を非常に大切にしていることも併せて指摘した。

バウワー氏の伝記本は「制作順調」との報道も

 しかし本当に妃の野望はそこまで大きいものなのか。バウワー氏のコラムを読むと、妃の政界進出は確定路線のようにもみえる。その理由についても同氏は、得意とする綿密な取材で集めた証言からそのディテールも含めて、現在執筆中の伝記で明らかにするのだろう。

 ちなみに、同氏が妃の伝記本に着手したことを最初に報じた英大衆紙「デイリー・エクスプレス」の記事によると、同氏は王子夫妻の友人や敵、仲間に次々と取材を実施。「私は今それを書いています。来年の出版時にそれは真実を告げるでしょう」とのコメントを紹介している。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)