事故から8年目の昨年7月24日にYouTubeチャンネル開設

アンナ：こちらこそ、ですよ（笑）。初めてYouTubeを拝見した時はとにかくびっくりしましたね。小学生の時、読書感想文を書くために乙武洋匡さんの「五体不満足」を読んだ時と同じくらいの衝撃を受けました。息子が生まれてから1年10か月、私なりにいろいろ考えて乗り越えてきましたが、「私が悩んでいることなんてちっぽけかも」と思えたくらいです。

山田さんとその言葉にはパワーがある。手足が3本ないなんて感じさせないくらい自然体で、一緒に出演していたお友達と本当に楽しそうでした。その姿を見て「一体何を乗り越えてきたんだろう。この笑顔の裏側でどんな葛藤を経験したんだろう」と気になってしまいました。

山田：こんなヘラヘラした感じですみません（笑）。

アンナ：YouTubeと変わらず明るい方ですよね（笑）。そもそもYouTubeを始めたきっかけは？

山田：きっかけは、去年3月に友人で車いすYouTuberの寺田ユースケさんに誘われて「寺田家TV」に出たことです。僕が出演させていただいた回は軒並み再生回数が伸びたそうで、それだけ自分に注目していただいたことがすごくうれしかったんです。

自分からいろいろ発信していきたいと思い、インスタグラムをやってはいましたが、どうしても限りがある。より多くの方に自分の存在を知っていただくために、YouTubeは「通らなければならない道だな」と。そこで、どうせ始めるのであれば意味がある日にしたいと思い、事故からちょうど8年目にあたる7月24日に「山田千紘 ちーチャンネル」をスタートしました。

コロナ禍で延期されなければ、去年の7月24日は東京五輪開会式の予定だったんですよ。縁あって聖火リレーにも参加させていただきました。

アンナ：事故に遭った同じ日付からYouTubeを始めるという決断もすごいですね。反響も大きかったのでは？

山田：「寺田家TV」に出演してからインスタグラムのフォロワーがかなり増えていたこともあり、「ちーチャンネル」の初日には約1000人が登録してくれました。YouTuberの間では「登録者数1000人」が最初の目標とされます。それを1日で達成できるほどの反響をいただいたことは本当にありがたいこと。そこからどんどん数を増やし、今では10万人を超える方に支えられています。

アンナ：それはすごいですね！

山田：びっくりしたのと同時に、やって良かったなと。同時に、より良い配信をしたいという使命感のようなものも感じました。