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専門店のプロが教える魚レシピ 火を使わない「アジのなめろう」はごはんにぴったり

公開日:  /  更新日:

著者:神山 克也

調理法はシンプルながら奥深い味わい。アジのなめろう【写真:神山克也】
調理法はシンプルながら奥深い味わい。アジのなめろう【写真:神山克也】

 一人暮らしや料理初心者にはなかなか手が出しづらい魚料理。自炊や自宅飲みがすっかり定着した今、「ぜひチャレンジしてみたい」という人も多いのでは。そこで、東京屈指の絶品アジフライを食べられると人気の飲食店「釣りあじ食堂」(新宿区大久保駅南口徒歩1分)で店主を務める神山克也さんに、簡単でおいしいアジレシピ&おすすめの食べ方を教えていただきました。

 ◇ ◇ ◇

房総の漁師料理が発祥 作り方はシンプルだが、味わいは濃厚で奥深い

 アジの仲間は世界に140種類ほど。日本近海では北海道から東シナ海まで23属53種が生息しているといわれています。

 その中で一番うまいといわれるのが「マアジ」で、一般にアジといえばこのマアジのこと。旬は一応夏ですが一年中おいしく食べられるので、季節関係なく食卓に上がります。食べ方は“生・煮る・焼く・揚げる”と多彩。さらに、和・洋・中華・エスニックとどんな料理にも合うことから、魚好きの日本人の舌を大いに楽しませてくれます。

アジの食味と釣り味に魅せられて【写真:神山克也】
アジの食味と釣り味に魅せられて【写真:神山克也】

 アジは釣りにおいても、ピリピリ&ブルブルッと穂先を鋭く震わせる引き味が小気味良くて痛快。しかも、エサ釣りやサビキ釣りなど釣り方は簡単で、周年釣れるためファンも多くいます。

 私はこのアジの食味と釣り味に魅せられ、5年前に東京・大久保の地で念願の居酒屋「釣りあじ食堂」ののれんを掲げました。この連載では、私が取り組んできた“釣り人目線のアジ料理”の数々を皆さんに披露したいと思います。

お母さんの肩たたきのイメージで、トントンたたく

 第1回は、房総半島の漁師料理が発祥の「なめろう」。調理方法はアジを3枚におろし、みそや薬味を混ぜて包丁で叩くだけとシンプルですが、濃厚で奥深い味わいです。

○アジのなめろう

【材料】(2人分)
アジ      2尾
長ネギ     適量
ミョウガ    2~3個
大葉      2~3枚
おろしショウガ 小さじ2程度
みそ      適量(大さじ1程度をお好みで)
※盛り付け用に大根のツマと大葉をお好みで

【作り方】
1. アジを3枚におろし、腹骨をすき取って、皮をむく
ポイント:最終的に身をたたいて細かくするので、3枚おろしが苦手な方も失敗覚悟でチャレンジを! 「なめろうを作っているうちに、3枚おろしが得意になった」という方もいますよ。

粗切りしたアジや薬味をたたいていく【写真:神山克也】
粗切りしたアジや薬味をたたいていく【写真:神山克也】

2. おろしたアジの身3枚、長ネギ、大葉、ミョウガを粗切りする

3. 2をまな板の上にのせ、包丁でトントンとリズミカルに叩き、全体をなじませる
ポイント:たたき方にコツはありません。お母さんの肩をたたくイメージで、「おいしくな~れ!」などと唱えながら根気良く。房総の漁師は「たたけば、たたくほどうまくなる」とベタベタになるまでたたくようですが、アジの食感を残す程度で止めておくのがおすすめ。とはいっても、たたき加減はお好みで。

4. 器に大根のツマと大葉を敷き、そこに3を盛り付けて出来上がり