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建てた住宅メーカーの名前で呼び合うご近所…注文住宅をめぐる嫉妬とマウンティング
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謎すぎるローカルルール 住宅メーカー名で呼ばれる恐怖
大手企業に勤める夫と堅実な生活を送っている北関東在住の公実さん(仮名・39歳)。子ども2人が小学校高学年になるのを機に土地を購入し、大手住宅メーカーに依頼して注文住宅を建てました。
お子さんが春休みに入るのを待って引っ越しを行い、いよいよ新しい生活へ。ワクワクドキドキの瞬間でしたが、新しい環境で待っていたのはあまりにもくだらない現実だったといいます。
「お隣の家に挨拶に行ったら、第一声が『ああ、○○さんね』でした。○○というのは、私たちが建てた住宅メーカーの名称です。『なぜそれが名前になっているの?』と訝しんでいると、お隣さんは作ったような笑顔で『○○さんとは格が違うようなのでお付き合いできそうにないの。ごめんなさいね』と言ったんです」
その後、反対側の隣家にも挨拶に行きましたが、そちらもなぜか塩対応だったそう。「この宅地は○○で建てたらダメなの? でもそんな規則あるはずないよね?」と悩んでいた公実さんでしたが、翌日に満面の笑顔でやってきた女性たちの言葉から、両隣が塩対応を取った意味を理解しました。
「その日に我が家へやってきたのは、同じ住宅メーカーで建てた人たちでした。『仲間が増えてうれしいわ~』とか『△△でしか家を建てられないような貧乏人がいると困るのよね~』とか口々に言って最初は意味不明だったのですが、よく考えるとどうやら住宅メーカー別に派閥ができていることに気付きました。
『この人は△△さん』『あの人は○○さん』というように、住宅メーカー名で呼ぶマウンティングですね。私はもう『うわ、ヤバイところに家建てちゃったな』と、そればっかり考えるようになりました(笑)」
両隣の方々にはその後、たまたま知人のツテがあった住宅メーカーを選んだだけでマウンティングの意思はまったくないこと、ご近所さんとは仲良くやっていきたいことを説明。両隣の方々も「こんなマウンティングは意味がない」と薄々感じていたのか、現在は普通に仲良く過ごしているといいます。
「まさかの住宅メーカー呼びに、ただただ笑うしなかった」と公実さん。亜希子さんの件もそうですが、注文住宅はもちろん“家を建てる”という行為自体が注目を集めやすく、予期せぬ嫉妬やトラブルを招くことがあるようです。「うらやましい」という気持ちは自然なものですが、マウンティングなどに費やす時間を自身の生活レベル向上に使うことで、その後の人生は大きく変わってくるかもしれません。
(和栗 恵)