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「敬老の日」の元になった村の祝日 制定当時の対象は55歳以上! 長寿祝いの基礎知識

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

長寿を祝う節目の年齢 読み方と由来

 長寿祝いとは、「還暦」など節目の年齢に達したことを祝うもので、その年齢は120歳まであります。本来は数え年(生まれた日を1歳、1月1日で年を取る)でお祝いをしましたが、最近では満年齢(生まれた日を0歳、誕生日で年を取る)で祝うことが多いようです。

◯還暦(かんれき) 満60歳(数え年61歳)
生まれた年の十干十二支が一巡して、もとの暦に還(かえ)ってくることに由来。お祝いの色は赤。赤には魔除けの意味があり、産着に赤い色が使われていたことも。諸説ありますが、暦に還って「赤ちゃんに戻る」意味から赤色のちゃんちゃんこを贈る慣習が生まれたとか。

◯古希・古稀(こき) 70歳
中国の詩人、杜甫の詩「曲江(きょくこう)」の一説「人生七十古来稀なり(70歳まで生きるものは古くから稀である)」に由来。お祝いの色は紫。

◯喜寿(きじゅ) 77歳
「喜」の草書体が「七十七」に見えることが由来。お祝いの色は紫。

◯傘寿(さんじゅ) 80歳
「傘」の略字が「八十」に見えることが由来。お祝いの色は金茶色(金色がかった茶色、山吹色)。

◯米寿(べいじゅ) 88歳
「米」の字を「八十八」と見立てたことが由来。お祝いの色は金茶色(金色がかった茶色、山吹色)。

◯卒寿(そつじゅ) 90歳
「卒」の略字である「卆」が九十と読めることに由来。お祝いの色は白。

◯白寿(はくじゅ) 99歳
「百」から「一」を引くと「白」になることに由来。お祝いの色は白。

◯紀寿(きじゅ)、百寿(ひゃくじゅ、ももじゅ) 100歳
100年が1世紀ということに由来。お祝いの色は白。

◯茶寿(ちゃじゅ) 108歳
「茶」の字を分解すると、十、十、八十八となり、すべて合わせると108歳になることが由来しています。お祝いの色は特になし。

◯皇寿(こうじゅ) 111歳
「皇」の字を分解すると白(99歳)、一、十、一となり、すべて合わせると111歳になることが由来。お祝いの色は特になし。

◯大還暦(だいかんれき) 120歳
2度目の還暦。生まれた年の暦に還ります。お祝いの色は特になし。

 厚生労働省が2022年7月29日に発表した簡易生命表によると、2021年の日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳。いずれも過去最高を更新し、日本は世界でもトップクラスの長寿国です。

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu