インタビュー

子どもの外遊び 外出制限中でも容認すべきか 臨床心理士が教えるコロナ禍でも大切なこと

著者:中野 裕子

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臨床心理士の武田信子さん【写真:Hint-Pot編集部】
臨床心理士の武田信子さん【写真:Hint-Pot編集部】

 デルタ株が猛威を振るい、子どもが新型コロナウイルスに感染するケースが増えている。新学期が始まったというのに、いきなり休校になった学校も。これまでと違う生活に振り回される日々が続き、心身状態を健やかに保つことができず、自ら死を選ぶ子どもも少なくないようだ。今年7月までに自殺した小中学生や高校生は、年間で過去最多となった昨年の同時期を上回った。子どもたちに今、何が起こっているのか。子どもたちに対し、周囲の大人はどのように対処すれば良いのか。子どもの養育環境の改善に長年取り組んできた臨床心理士の武田信子さん(59)に話を伺った。

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コロナ禍で学校生活も一変 悪い影響ばかり?

――9月から新学期が始まりましたが、開始早々、臨時休校になっている学校があります。コロナは子どもたちの生活にも大きな影響を及ぼしています。

「学校が休校になることによる影響は、子どもによってさまざまです。家庭や学校、地域など、子どもが安心できる“居場所”はそれぞれ異なるからです。学校に居場所がある子にとって休校はつらいですが、不登校の子はホッとしています。

 国立成育医療研究センターが2021年2月19日から3月31日までに全国の子ども(小学校1年生~高校3年生相当)を対象に行ったアンケートでは、『コロナで学校がお休みなのは寂しかった』という声がある一方、『小学校が休校になって、心が安まった』という声がありました。『コロナのせいで友達と距離ができた』という声もありますが、友達と接しないので友達間のトラブルは減っているし、『家族と話す機会が増えて良かった』という声もある。悪い影響ばかりとも言い切れないのです」

――昨年の緊急事態宣言の時などは休校で授業ができなくなった分、子どもの勉強はプリントなどを使って行われていたと思います。今、オンライン授業はどれぐらいの学校でできるようになっているのですか。

「NHKがこの春、東京23区と全国20の政令指定都市に行った調査によると、自主休校の児童・生徒に対してオンライン授業ができる、と回答した自治体は9つで、『課題がありできない』と回答した自治体は18にも上りました。実際にオンライン授業を始めようとしたものの、Wi-Fiがうまくつながらなかったり、先生がパソコンをうまく使いこなせないなど、課題が山積みのようです。

 公立校はこのような状況ですが、私立校によっては昨年、いち早くオンライン授業を導入しうまく活用している学校もあります。そのため、導入できた学校とそうでない学校に通う子どもたちの間の学習環境の格差が広がっています」