なぜ月経異常で病院に行こうと思ったのか？　27歳のリアルな体験談

【会社員・Sさん（27歳）の場合】

──病院にかかるまでの経緯を教えてください。

「初潮が訪れた14歳の頃から生理不順で、毎月来ることもあれば来ない時も……という感じで、1か月半は遅れるのがデフォルトでした。時には3か月に1回しか来ない時もあり、自分の中で生理不順が当たり前のことになっていたんですよね」

──確かに初潮があった頃からその状態が長年続くと、なかなか治療に踏み切れないかもしれませんね。

「そうなんです。ただ今年に入ってから、5か月間も生理が来なくて……。10年以上放置していましたが、ついに受診を決意しました。YouTuberのてんちむさんが月経異常に関する動画を上げていて、それを観たことで女性としての自分の体に不安を抱くようになったのも決意した一因ですね。

　でも、仕事の繁忙期が重なっていたし、面倒だなという気持ちも正直強くて。治療が長引く可能性もありますし、金銭面に関しても正直なところ心配だらけでした」

──そうですよね。働く女性にとって時間がかかるのはネックですよね……。金銭面もですが、婦人科の診察に抵抗はありませんでしたか？

「内診に関しては特に抵抗などありませんでしたが、生理不順による体調不良なども一切感じていなかったので診断を受けるタイミングを伸ばし続けてしまいました」

──病院ではどんな診断を受けて、どんな治療をすすめられたのですか？

「婦人科では内診の他、血液検査を行った上でピルを処方されました。元々生理周期はないようなものですが、この状態でもピルを飲んでから4週目で出血があるそうです。私の場合はてんちむさんと違って原因不明とのことで、診断名は付きませんでしたが、治療はまず生理周期を整えることからになりました。

　そして、気にしていた通院頻度と費用の面ですが、通院は月に1回、病院にもよると思いますが私の場合はピルの費用込みで2300円程度とのことで安心しました」

──同じような症状で悩んでいる人も、この体験談を読んで治療を早期に開始するきっかけになればいいですよね。

「費用も通院回数においても予想よりハードルが低かったので、もっと早く病院に行けば良かったと感じています。放置し続けてしまったので恐らく治療には時間がかかると思いますが、将来出産を考えているようなら少しでも早めに治療する必要があると伝えたいです。

　私は面倒な生理がなくて楽ちんと軽く考えていた節がありますが、もし同じ悩みを抱える方がいたらその“楽ちん”な時間こそがのちの不安材料につながる危険性も。早めに婦人科へかかることを強くおすすめしたいです！」

　
　生理がない＝痛みに悩まされず楽と考えがちですが、日々の忙しさの中で放置は禁物。余談ですが、筆者も30代前半の頃に「無月経」と診断された経験があります。

　Sさん同様に生理不順が続いていたものの「面倒」「仕事が忙しい」と通院を後回しにしていましたが、健康診断の際に「無月経の上に無排卵」と診断を受け「この状態を放置しているようなら、自然妊娠は難しい」と医師に伝えられました。

　その後、すぐに婦人科に通院しホルモン剤の投与を経て、自然妊娠での出産にまでたどり着けました。少しでも違和感を感じるすべての女性は、早めに受診してほしいと思います。

（フェムテックtv・熊木 美香）