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「私、これで友情切りました」―50代女性たちの友やめ事件簿
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母の葬儀で分かった、偽りの友情
今年の春、母親の死に直面した関東地方在住の梨乃さん(仮名・55歳)は、その悲しい別れとともに長年の友情にも終止符を打ちました。
梨乃さんの母は昨年の秋頃、自宅の階段から転落し入院。頭を強く打ったため、手術は数回に及びましたが、一時は回復するようにみえました。ところが春になって容体が急変し、亡くなってしまいました。
「私の母は人をもてなすことが大好きで、私の友人が来るといつも手料理を振る舞ってくれました。そこで、10年ほど前まで年に数回は我が家に集まっていた高校時代からの友人7人に、母の死を知らせたんです」
母の死と、家族だけで葬儀を営む予定を連絡した梨乃さん。「ご愁傷様」の言葉はすぐに全員から返ってきたそう。しかし、「梨乃のお母さんには本当にお世話になったから、私も寂しいよ。気を落とさないでね」という温かい言葉とともに香典を送ってくれたのは、その中のただ1人だけだったのです。
「30年以上付き合ってきて、母にもあれだけ世話になったのに。これが実態だったのかと思うと、呆れるやら悲しいやら……」
6人の薄情さに、梨乃さんは愕然としてしまったといいます。
「不義理な友人のうちの1人は、彼女の義父(夫の父)が亡くなった際に連絡があったので参列したんですけどね。そういうことはすべて忘れてるんでしょうね」
長年の友情を“切る”という決断は、かなり難しく悲しいものです。とはいえ、ずるずると縁を引きずってしまうと「悪縁」を呼び寄せてしまうことも。「友情の賞味期限が切れたな……」と思ったら、過去のことはすっきりと忘れて、新たな人脈作りに時間を費やした方がいいかもしれません。
(和栗 恵)
和栗 恵(わぐり・めぐみ)
恋愛コラムニスト・ライフスタイルライター。1970年東京都生まれの B型。雑誌、ウェブ、ドラマCD、ゲームシナリオ制作など、さまざまな媒体を手がける。男女の本質的な違いに着目した独自の恋愛論・結婚論を、ティーン誌、青年誌、ママさん向けウェブなどで展開中。著書にA型夫とB型妻との生活を描いた「毎日がグチLove B型妻 VS A型夫(笠倉出版社)」、「そして、ありがとう…ー犬とわたしの12の涙ー(日本文芸社)」などがある。