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サツマイモを食べるとおならが出る理由とは 甘さの秘訣は加熱にあり 選び方のコツも
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教えてくれた人:和漢 歩実
食べるとプッ!? 豊富な栄養素を解説
サツマイモを食べると「おならが出やすい」と言われます。これは食物繊維が多く、主成分のでんぷんの粒子が大きいためと考えられているそうです。
つまり、消化に時間がかかるので、腸が伸びたり縮んだりして動く「ぜん動運動」の回数が増えます。この運動の時に腸内細菌によって分解されて発生するガスがおならの素。ぜん動運動をする度にガスの発生も増えるので、おならが出やすくなります。
さらにサツマイモを食べた後のおならは、一般的にあまり臭くないと言われています。食物繊維やでんぷんが分解されてできたガスは、臭いの素になるようなアンモニアや硫化水素をほとんど含んでいないのが理由です。腸が活発に働いた「ヘルシーなガス」と言えるかもしれません。
他にもサツマイモには腸の働きに関係する成分があります。皮付近に多く含まれ、切り口から出てくる白い乳液の「ヤラピン」は、腸の活動を促して便通を整える働きが期待されています。ちなみに、空気に触れると黒っぽく変色するので、きんとんなど黄金色を楽しむ料理を作る際には皮を厚めにむき、すぐ水につけて変色を防止しましょう。
また、含まれているビタミンCが熱に強いことも特徴です。日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、100グラム(皮なし)あたりの含有量は生が29ミリグラムですが、蒸しても29ミリグラムと変わらず、焼いても23ミリグラムとほぼ変わりません。
ナトリウムを体外へ排出する働きをするカリウムも豊富です。生や蒸しで480ミリグラム、焼くと540ミリグラムになります。ちなみに、果物ではリンゴが120ミリグラム、梨が140ミリグラムなので3倍以上です。
エネルギーは、蒸したものが131キロカロリー。焼いたものが151キロカロリー。品種によって異なりますが、一般的な中サイズのサツマイモ1本は200~250グラムと言われています。100グラム(皮なし)は半分くらいのサイズが目安になります。